隣で寝息を立てるプーチンの頭を撫でる。サラサラの髪は俺の手をすんなり受け入れた。…今日も、無理をさせてしまったと思う。死んだように眠るプーチンの閉じられた瞳は泣きすぎで赤く腫れていた。愛しているつもりなだけで本当は傷付けているだけなのかもしれない、なんて。今まで誰をも愛さなかった、愛そうとしなかった報いがここにあるのだったらプーチンは自分のせいで理不尽にとばっちりを受けているというわけだ。愛って何だ。愛するってどうするんだ。分からない。こんな風に頭を撫でてやるくらいしか自分には方法が思い付かなくて。

「……チッ」

どうして俺は俺なんだろう。確定された過去を変えることは出来ない。これからずっと、今までの人生の中で形成された自分を背負っていかなければならない。もし。もしも違う生き方をしていたら正しく愛せたのだろうか。

「……キレネンコ、さん?」

いつの間に起きていたのかプーチンはうっすらと瞳を開けてキレネンコを見上げていた。目蓋の隙間から見える緑の瞳は寝起きだからかいつもより虚ろいでいた。

「眠らないんですか?」
「……少し、考え事」
「……どんな?」
「………内緒」
「えー、そんなのズルいですよぉ」

小さく笑う彼につられて自分も笑ってしまう。安心する。彼の笑顔は。

「…寝てて良いぞ」
「キレネンコさんが寝るまで寝ません」
「……じゃあ、寝る」

布団に潜りプーチンを抱き寄せる。柔らかくて暖かくて。すぐに寝てしまいそうだ。胸の中でまたプーチンが笑った。

「…なんか幸せです」
「……そうか」


愛し方がわからない
(…お前が幸せならまあ良いか)

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なんかただのノロケ?
…気に入ってはないけど載せます←




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