かっこいい人は、何をしたってかっこいいわけで。
俺の心臓は、バクバクなわけでして。


「どーよ俺、メガネ似合うんじゃね?」
「うわー、メガネかけても勉強出来なそーだなー」
「うっせーよ」
「はははっ」


視線を巡らせれば、みんなに囲まれて笑う山本を見つけられる。
それはいつもと変わらない光景、だけど一つ違う。

山本が、メガネをかけているんだ。


「山本なんでも似合うからムカつくよな〜」
「バカだけどな〜」
「こんにゃろ」


あぁもう!じゃれちゃってニコニコしちゃってさ!
いやそれはいつもだけど、でもメガネのせいで余計にその…!


「(悔しいから絶対かっこいいなんて言わない!)」


言ったところで、どうなるって話だけど…!
山本って無自覚で天然、だと思うんだよ。
だからさらっと爆弾投下しそうで怖い。


「…あ」
「…!」


…ヤバい、目があった。


「ツーナっ」
「はは…」


目があえば、山本はにっこり笑って俺に手を振り始めまして。
俺は苦笑いで手を振り返して、視線を反らすしかなくて。

だってあんな笑顔で目あわせてたら、顔が赤くなるに決まってる!


「…ちょっとツナ」
「わっ!」
「なに目反らしてんの」
「や、山本…っ」


何を不服に思ったのか、山本はちゃっかり俺の目の前まで来ていた。(顔が拗ねてる、のにこんな顔ですら整っていてかっこいいのがムカつく)


「ツナ、今日俺と全然目、あわせてくれねーのな」
「…気のせいじゃない?」
「気のせいじゃねーよ」
「えー…」
「ちゃんと俺見ろよなー」
「…〜っ!」


ほら、爆弾投下した。
なんだよ、この状況…!
ここ教室だってわかってんのかな…!!


「山本…離して」
「ヤーだ」
「は、離してよ…」


俺の両頬は山本の手にしっかり包まれていて、どうやっても山本が見える。


「…」
「あれ、なんかツナ顔赤くなってる?」
「う、ううっ、うるさい!赤くなんかない!!」
「…!ははーん」
「な、なに!」
「見惚れちゃった?」
「違っ…!」
「かっこいい?ね、俺かっこいい?」
「〜っ、聞くなぁ!」





αの理論

(元々がいいんだもん)
(さらにかっこよくなってどうすんのさ!)





「そっか、ツナってばメガネ好きなのなー」
「違うよバカ!メガネかけてるのが山本だから好きなんだろ!」
「え」
「あ…」
「〜、ツナっ!」
「うわっ、山本抱きつかないでよ!」
「無理なのな!」



―――――
教室で何イチャついてんだよ、ってね!←
何をしても山本はかっこいい気がします^^
…どうしようもないバカップル、になってますかね?汗



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