いったい、この状況はなんなんだろうか。
「えっと…い、泉?」
「…んだよ」
「な、なにか…、用?」
じっと泉を見つめれば、黙ったままふいっと目を逸らされる。
さっきからこの繰り返し。
俺の目の前で、泉は仁王立ちをしたまま。
いきなり俺の家に来たと思ったら、これだ。
「いーずみー…?」
「…ばか浜田」
「わ、しゃべったと思ったらそれかよっ」
「〜っ、あぁもう!そうじゃねーんだよ…っ!」
「?」
「俺が、言いたいのはっ」
黙ってたと思ったら、今度は急に叫びだした。
ほんのり頬が赤く染まっているのは気のせいではないと思う。
なんか、今日の泉はおかしいぞ…?
「どうした、泉」
「〜っ」
「具合悪い?平気?」
「違う…!」
「だーかーらっ、泉、言わなきゃわかんないよ?」
「う…」
ちゃんと目を見たのに、泉はふいっと目を逸らす。
俺、またなんかしたのか?
…うわ、どうしよう。
「ご、ごめん…」
「なんで謝んだよ」
「いや、俺なんかしたのかと思って…」
「なんもしてねーよ!」
「え、じゃあ」
「………言えよ」
「はい?」
「なんでも、言え!」
「だ、だから何が…?」
「なんかしてほしいこととか、言え!」
「え、ちょっ!?」
「俺がなんでもしてやるって言ってんだよ!」
「泉…?」
え、なになになに!
泉に最大のデレ期でも到来したっての!?
してほしいこと?
俺にさせるんじゃなくて、泉がするの?
えー!!
「さっさと言え、三つまでなら聞いてやる」
「ま、待てって泉!いったいどうしたんだよ!」
「…」
「熱とか「ねーよ!」
「じゃあ、急にどうしたんだよ?俺わかんねーよ?」
「…」
「もしもーし」
「…もう少しで、明日に、なるだろ」
「明日?」
「明日は…何の日だよ」
「明日って…」
俺の、誕生日だけど…。
…はっ、まさか!
「泉、それって、お祝いしてくれるってこと?」
「…そーだよ」
「別に、いいのに」
「俺が嫌なんだよ!プレゼントも…忙しくて、買いに行けなかったし…」
「…」
…どうしよう、すげー嬉しいんだけど。
だって泉がこんなふうに言ってくれんのなんて滅多にないよ!
なんかもう、その言葉だけで胸がいっぱい。
「ほら、言えよ!」
「…いら「ないは無し」
「えー!」
「俺の好意を無駄にすんじゃねーよ」
「…じゃあ」
本当に何もいらないんだ。
泉がこうして言ってくれて隣にいてくれるだけで。
なぁ泉。
俺はもう泉に、たくさんいろんなものもらってる。
泉がいてくれれば俺はそれでいいんだよ。
笑ってくれればそれでいい
(君の笑顔が宝物)
(これから先も、ずっと守り続けたい)
「は?」
「スマイルプリーズ!」
「い、意味わかんねー!」
「俺は泉の笑顔が見たいんだってばー」
「う、うっせーよ!意味わかんねーって!!」
「なんでも聞いてくれるんでしょー?」
「あー、もう知らん!」
かわいいかわいい、笑顔を見せて。
―――――
デレって、なんだ←
泉に、俺がなんでもしてやるって言ってんだよ!って言わせたかったw笑
浜田おめでとヽ(ω)/