まるで魔法にかかったみたいに、いつのまにか、堕ちているんだ。
「花井見て!」
「ん?」
「英語の小テスト、今まででイチバン!」
「お、すげーじゃん」
「この前花井に教えてもらったとこ!」
「あー」
「花井のおかげ、ホントにありがとな!」
ニッと笑いかければ、花井は一瞬驚いて、それから、
「ばーか」
「?」
「確かに俺は教えたけど、頑張ったのは田島だろ?」
「…!」
えらいえらいとわしゃわしゃ俺の髪を撫でながら、優しく、笑った。
なんだよ、今の…!
花井ってばホント、ずるいっての!
なんで、こうもかっこいいんだ…!
同じ人間かよ!!
背が高いし(俺もでかくなるけど!)、声が大人っぽいし、頭が良くて、あとすっげー優しくて、それから…それからっ!
…うわあぁああぁ!
なに、もう、花井、ヤ!
好きなとこばっかでてくんじゃん!
俺なんなの、花井ってばなんなの!!
「〜〜〜っ…!」
「田島?」
「(あー…もう好き!)」
「変な顔してんぞ?」
「…花井のばか」
あいさせないで
(俺は君だらけ)
(もうとっくに限界値)
「…はぁ?」
「ムカつく、花井、俺、もう、ヤだ…」
「はあぁ!?」
「花井のこと、好きすぎてヤだ…っ!」
「お、おま…!」
―――――
これは甘い(かゆい!)
田島は花井が好きでどうしようもないって話。