※そんな嘘ならいらないと関連した阿部視点です



俺はいつから、こんなに嘘ばかり吐くやつになったんだろう。
弱虫になったんだろう。


「阿部 くんは、誰を 見てる、の、かな」


三橋に言われた言葉に、心臓が飛び跳ねて。
悲しそうに顔を歪める三橋に、締め付けられる。


「俺、阿部くんと一緒に、野球するの 好きだよ」
「…俺も好きだよ」


野球するのは好きだ。
三橋と、もちろん西浦でみんなと。

それなのに、


「…んでだよ」


どうして、元希さんのことばかり考える。
どうして、三橋と元希さんを比べる。

どうして、元希さんを、今でも、…。


嫌いなんだ。
嫌いなんだあんな人。

自己中ですぐキレるし、空気読めねーバカだし。
球速あってもノーコン。
俺を的としか思ってない。

なのに…それなのに。


『タカヤ!』


思い出すのは、あのムカつく笑顔で。
キレてた方が確実に多いのに、鮮明に、思い出す。


俺の中に、まだ、元希さんは、たくさん残ってる。


「(…バカらし)」


もうあの人は前を向いているのに、俺は。
いつまでも、弱い、あの日のままじゃねーか。

変わらなきゃ、ならない。

もっと、強くなって。
元希さんよりも、今をもっと大事にして。


いつか、見返すんだ。





つよく、つ

(誰より強く生き抜いて)
(そしたらいつか俺を見てくれるのか、なんて)





…見返す、なんて、ただの言い訳にしか聞こえねーってのに。

ガキだ、俺。

ただ元希さんに、俺を見ていてほしいだけだ。



―――――
うーむ、微妙(Д)
こう、榛名に未練タラタラ感出したかったのに見事に失敗←



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