想いを口にすることが、こんなにも罪深いなんて知らなかったんだ。
「ツナ、(好き)」
言葉には、出来ない。
心で想うのが俺には精一杯だった。
…いや、違う。
精一杯なんじゃなくて、俺は、逃げた。
自分の想いから逃げた。
許されない想いから。
「なに、山本」
「…え?」
「え?って、人の名前呼んだだろ」
「あ、わりー、特に用事はないのなー」
「なんだよそれー」
笑うツナが、愛しくて。
きっともうずいぶん前からそうだった。
「…なぁ、ツナ」
「今度はなんだよ」
「ツナって、すっげーキラキラしてるのな」
「意味わかんないよ」
「キラキラなのな」
「…俺には山本の方がキラキラして見えるけど?」
だって山本、人気者だし。
そう言いながらツナは苦笑したけど、…違うんだ。
全然違うんだ、ツナ。
キラキラ、キラキラ。
俺にはツナが眩しいよ。
あの日から、ずっと。
ツナについていこうと決めたあの日から。
俺の世界はあの日から、ツナでいっぱいで。
ツナが俺の世界を変えてくれたんだ。
だから、ツナは、例えるなら俺の光で。
俺は、影なんだ。
ツナがいるから、俺は存在していられる。
それが嫌なわけじゃない。
むしろ、それが、俺には嬉しいんだ。
影が光に触れることは決して許されないけれど。
そのかわり、離れられない存在だろう?
「ツーナっ」
「?」
「俺さ、ずーっとツナのそばにいるからな!」
「えぇ?」
「強くなろーぜ、一緒に」
「!…うんっ」
光と影であるように
(交わることはできない二本の平行線)
(俺も光であったなら)
もしもの話はしない。
現状に満足するなんて、俺らしくないのかもしれないけれど。
ただそばにいられれば、俺はそれで。
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山本独白ちっくになりましたね(仝ω仝)!←
ツナが好きだから、現状維持を選んだ山本。
バカっぽいけどいろいろ考えてる子なんだよね←