「ね、どこ行く?」
「ツナの好きなとこ」
「俺は山本の好きなとこに行きたい」
「…」
「…」
「…散歩でも、しながら決めよーか」
「うん」


久しぶりに俺は部活が休みになった。
すぐツナの家に行くと、ちょうどみんな出掛けているらしく、ツナ一人だった。

そんなわけで俺はツナを連れ出すことに成功した、

…んだけど。


「山本、なんか買い物とかないの?」
「特にないのなー」
「そっか」
「ツナは?なんか食べたかったりする?」
「今はいいや」
「んー、どうしよー」


…やりたいこととか行きたい場所が、ない。

だってさ、俺はツナといれればそれでいいのな!
だから、ツナに任せようかなとか思ったのになー…。

どうやら、ツナも一緒だったみたいで。


「似た者同士なのな」
「え?」
「俺とツナ」
「なにそれー」
「だって俺、ツナがいればそれでいいとか思っちゃってるけど、ツナもだろ?」
「…自惚れじゃないの」
「えー、違うの?」
「………違わ、ない」


俺がツナをそうからかってみれば、ツナはぷいっと顔を背けた。
頬を膨らまし、ほんのりと赤く染めて。

違わないって、結局認めるところがかわいいのな!


「ツナかわいー」
「…かわいくない」
「な、手繋ごう」
「やだ」
「やだ、って」
「ここは外ですよ」
「いいからいいから、気にすんなって」
「気にす「はい繋ぐー!」


有無を言わさずツナの手をぎゅっと握った。

わかってる、外だ。

でも繋ぎたかったんだ。
ツナが大好きだって、大切だって伝えたかった。


「噂とか、たっちゃっても知らないよ」
「気にしねーよ?」
「…もー」


ツナは、またしても俺から顔を背けた。

だけど、少しだけ見える口元が、笑ってる。


「ツナ」
「なに?」
「すっげー好き」
「知ってるよ」


ぐいっとツナの顔をこちらに向け、笑いかけた。
そしたら、少し呆れたように笑って、小さな声で、俺も好き、と言った。

あ、すっげー幸せ。


「あ、そうだ」
「?」
「これから俺の家でキャッチボールでもしねー?」
「キャッチボール?」
「うん、やることねーし…野球したくなった」
「はは、別にいいよ」
「やりー」
「でも」
「でも?」


その時ツナにしては悪そうな顔で(いや悪そうっていうか意地悪?つーか小悪魔?)、ニィッとした。


「…山本、野球バカ?」
「なっ!」
「なーんて」
「ツ〜ナ〜!」
「はは、獄寺くんみたいだったでしょ」
「ツナまで言うなよ」
「嘘だよ、だって」
「?」
「俺は、野球やってる山本が好きだもん」
「…!」
「ほら、行こ?」
「…」
「山本?」


…うわー、畜生。
不意打ちなんてずりー。


「〜〜〜っ、あー!」
「わっ!?ちょっと!」
「ずりーよツナ!」


とりあえず恥ずかしくて、叫びながらツナの手を引いて走りだした。





駆け引き無用の

(ときめいてきらめいて)
(君に堕ちてゆく)





―――――
ほのぼのデート…と呼べるんだろうか!汗
むしろお散歩デート!←
とりあえず山本もツナもお互い大好きだと(∵)
こんなのですみません!
日向さんに捧げます(^^)


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