「(眠れ、ない)」
ごろん、と寝返りを打つのは、いったい何度目か。
ため息も、もう数えきれないほど、だ。
いったいどうしたものか。
時計を確認すればとっくに三時は過ぎている。
きっとまた五時過ぎまで眠れなくて、七時ごろにリボーンや獄寺くんに叩き起こされる。
仕事中も睡魔が襲う。
…こんなにも、眠れない夜が続くなんて。
原因は、わかってる。
「やまもと」
その名を口にするだけで胸がきゅっとなる。じわっと身体中に熱が広がる。
「あいたいよ」
もう何日目だっけ。
このベッドに一人で眠るようになって。
山本は、今、任務で出張中なわけでして。
顔は見ていないし、忙しいのか声すら聞けていない。
…寂しい、んだ。
一人で眠るベッドはこんなにも広いものだったか。
抱き締めてくれる温もりがないと、こんなにも不安になるのか。
起こしてくれる声がいつもと違うと、こんなにも寝覚めが悪いのか。
「やーまーもーと」
「や、ま、も、とっ」
「…やまもと」
好き、すき、スキ。
大好き。
会いたい、あいたい。
山本を想うだけで、こんなにも胸が苦しいよ。
寂しいよ、愛しいよ。
早く、早く。
帰ってきてよ山本。
不眠症の理由
(それは君がいないから)
(ねぇ、はやく、俺のこと抱き締めてよ)
「やまもとのばか」
好きだ、このやろー。
―――――
はい、少々乙女思考なツナでしたっ!
枕に顔をバフバフやってればかわいい\^q^/←