「獄寺、いい加減にしてほしいのなー」
「うっせぇ野球バカ!テメェこそ十代目にくっついてんじゃねぇ!」
「だって俺ツナの彼氏だぜ?くっついてとーぜん」
それは今日も突発的。
いつものように始まる、俺と獄寺の言い争い。
いつもの屋上で。
「っ、俺は認めねぇ!」
「別にお前が認めようが認めまいがいいぜー、ツナは俺のことがだーい好き、だからなー」
「…くそっ!」
そもそも獄寺がわりー。
俺のツナにくっついて、さらには恋心なんて抱きやがるから。
言ってやんないとわかんないんだよな。
「つーか獄寺って、人の彼女に手出すようなやつなんだよなー、さいてー」
「手なんか出してねぇ!俺は十代目をお守りしたいだけだ!!」
「好きだから?」
「尊敬の好き、だ!」
「…俺が気付いてないとでも思ってんの?」
そんな、白々しい嘘。
獄寺のツナを見る目は、尊敬でも忠誠でもない、男の目、だろ?
「男の目でツナ見ててなに言ってんだよ獄寺ー」
「あー、うるせぇ!とにかく俺は十代目をお守りすんだよ!」
「ツナを守るのは俺だし」
「俺だ!」
「…まぁ、せいぜい頑張れば?“自称”右腕さん」
「て…めぇっ!」
「尊敬でも忠誠でもない、好きって気持ちだけでツナのそばで頑張ってみれば?」
「ざけんじゃねぇ…!」
「好きなんだろ?獄寺、認めろってー」
「黙れ、果たすぞ!」
あーぁ、そんなの認めてんのと一緒だっつの。
態度に出しちゃって。
ツナの右腕になりてーんだったら、そこをどうにかしろってのな。
右腕にこだわってるようじゃダメだけど。
まぁ俺はツナの絶対的な存在にいるから、右腕は、獄寺にあげるぜ?
争ってるみたいだけど、獄寺が勝手にだし。
右腕じゃなくても、俺はツナを守れる。
そばにいられるからな。
「獄寺ー」
「…んだよ」
「お前じゃ俺には、一生かかっても勝てないのな」
「〜っ、てめ…!」
…あ、やべー獄寺が本気で殴ってきそう。
だけど、
「や、ま、もとっ!」
いいタイミングでツナが暴れだすんだなー。
ツナは今、俺の身体にすっぽり納まった状態。
「耳、離してよ!」
「わりーわりー」
「もう…なんでいつも獄寺くんと話すとき耳塞ぐの」
俺はこういう話を獄寺とするときはツナの耳を塞ぐ。
ホントはツナがいないときにしたいけど、獄寺が離れないからなー。
「んー、内緒」
「…なんかずるい」
「機嫌治せってツナー」
「わ、ちょっと山本…っ!獄寺くんいるってば!」
「気にすんなってー」
機嫌の悪くなるツナに、俺はいつもキスをする。
獄寺に見せ付けるように。
「も、わかったからっ」
「そー?残念」
「山本の、ばか」
「はは、ツナ好きー」
そのまま後ろからツナをぎゅっと抱き締めて、獄寺ににっこり笑ってみせた。
知らなくていいんだよ
(ツナの中で、俺は、ヒーローだからな)
(かっこよくなきゃ)
ははっ、獄寺、握った拳が震えてるのなー。
―――――
黒山を目指して失敗…
いやぁひどい(∵)←
山ツナ←獄の絡み好きなのにっ、くそうっ