そんなに邪魔にしなくてもいいじゃんな!


「はっないー!」
「おわっ!こら田島、くっつくなっての!」
「いいだろ別にー」
「はーなーれーろって」
「やだー」
「あぁもう!」


無理矢理に花井の背中から引き剥がされる。
ちぇ…つまんねーの。


「いちいち抱き付くな!」
「だって花井の背中好きなんだもん」
「っ、だからってわざわざ練習終わる度にすんな」
「ぶー」
「ぶーじゃない」
「じゃあ構ってよ」
「構うってなんだよ」
「頭撫でてくれるとか?」
「アホか、さっさと着替えろっての」
「え、花井は?」
「俺と阿部はモモカンに呼ばれてんの」
「モモカン?」
「そ、だから着替えてろ」
「…わかった」


そうして花井は阿部と一緒に走っていった。

置いてきぼりの俺は、しょうがないから部室に帰る。


「…つまんねー」
「なんだよ、田島」
「花井、つまんねー!」


俺は部室に帰るなり、三橋に抱き付いた。


「たじ、ま、くん?」
「三橋ぃ〜」
「どうした の?」


三橋だけだ、こんなふうに俺に構ってくれんの!


「田島…それ阿部に見られたら殺されんぞ」
「知らねーよ!花井のバカバカバーカ!…なんで構ってくんねーんだよ」
「田島、くん…」


なんもしてこねーし。
抱き付いても離れるし。

俺ばっか好きみたい。


「俺は魅力がないのか!」
「そん、な」
「むしろ花井は俺が好きじゃないのか!」
「(アホだ…)」
「(どう見たってベタ惚れだろーが)」
「なぁ三橋ー」
「う?」
「どうしたらあんなに阿部に構ってもらえんの?」
「構っ…?」
「(三橋の場合は…)」
「(阿部が好きでやってんだろ…)」
「わかん、な い」
「…やっぱ俺には魅力ねーのかなー」


どうしたら花井は、俺のこと構ってくれんだろ。
どうしたら花井は、俺をもっと好きになるんだろ。


「田島、くんっ」
「ん?」
「俺、田島くんの、魅力いっぱい 知ってる、よ!」
「…!」
「田島くん、すごい!」
「三橋…三橋ありがとー!俺、三橋と付き合う!」
「う、お!」


なんていいやつ、三橋!


「…いったい、誰と誰が付き合うって?」
「お、阿部!」
「阿部、くん!」
「なに抱き付いてんだ、離れろっての!」
「えー…あ、花井!」


すげー剣幕で阿部に三橋から引き離された。
と思ったら阿部の後ろに花井を見つけたから。


「花井っ」


今度は前から思い切り花井に抱き付いてやった。


「わっ、…お前なぁ」


なのに花井のやつ、まだ着替えてないのか、って。
俺のこと引き離した。


もー、花井のバカ!





マイダーリン

(構ってよ構ってよ)
(寂しくて死んじゃう!)





「なに不貞腐れてんだ」
「べっつにー」
「頬膨らんでんぞ」
「…花井のバカ」
「はぁ?」
「バカバカバーカ」
「ったく…ほら、早く着替えろっての」
「むー…」
「ボタン外してやっから」
「むー!」



「あれを構われてないって言うのか、田島は」
「普通はボタン外してやったりとかしねーだろ」
「何が基準なんだ」



―――――
もんもん田島と、お母さんな花井…は実は余裕がないといいと思います(笑)
田島の基準…←



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -