※ほぼ会話のみ



ひゅーん、という音とともに、ツナの足元にボールが転がってきた。


「あれ、野球のボールだ」


山本のかな。
なんて言いながら辺りをきょろきょろと見渡します。

けれど現れたのは、


「お、俺の、ボール…!」


西浦高校野球部のエース、三橋でした。


「あ、どうぞ」
「あっ、りが とう、ござい…ます」


三橋の挙動不審は相変わらずですが、ツナはそれに似たものを感じとった模様。


「…あの」
「う、うひっ?」
「少し、話しません?」
「え、とっ…」
「野球好きなんですか?」
「あ、好き、だ!…違、好き です!」
「…たぶん俺の方が年下だから、敬語、いいですよ」
「で も」
「俺、今中2です」
「俺は、高1 だっ」
「ほら」
「だけど、敬語なくて いいです、あ、いい よ」
「…じゃあ、敬語なしで」
「うん、っ!」


にこっと笑ったツナに、同じく笑いかける三橋。


「三橋くんは野球部?」
「うん、沢田くん は?」
「俺は帰宅部なんだ、あ、でも…」
「で、も?」
「山本は、野球部」
「沢田くんの、友達?」
「友達だよ、うん」
「野球部なんだ、ね」
「すごい野球が好きだって言っててね、それにたくさん打つんだよ」
「う、お、すごい!」
「へへ」
「…」
「…」
「…こい、びと?」
「え、えぇっ!?な、なんでわかっ…!」
「やっぱ、り!」
「あ、う…」


かあっ、とわかりやすいほどツナの顔が赤く染まる。


「笑い方、が」
「…え?」
「優しかっ、た!山本くんの話 してるとき」
「そう、かな…」
「うん!」
「三橋くんは?恋人、いないの?」
「俺も、いる、よ!」
「なんて言うの?」
「阿部くん!、は、すごいんだ よ!」
「へぇ、阿部くん」
「バッテリー、組んでる」
「すごい、夫婦、ってやつでしょ、山本言ってた」
「め、お、と!」
「あはは、どんな人なの?阿部くん」
「えっ、と…阿部くんは、かっこよくて頭よくて、優しくて それから…」
「…すごくすごく、阿部くんのこと好きなんだね」
「うん、好き だ!」
「あはは」
「沢田くん、は?」
「え、俺?」
「うん、山本くんは、どんな人、なの?」
「うーんと、ね」


少し考えてから、照れたようにツナは言いました。


「…頭はよくないけど、かっこよくてヒーローみたいなんだ」
「ヒー、ロー!」
「いつも俺を助けて、支えてくれるよ」
「すっごく、好き?」
「すっごく、好き」


二人で顔を見合せて、二人で笑いだしました。


「へへ、なんだか少し恥ずかしいね」
「でも、楽しい、よ!」
「うん俺も」
「…あの、沢田 くん!」
「なに?」


少し緊張気味に三橋がツナの手をぐっと掴みました。


「俺、と!」
「うん?」
「お、おお お」
「落ち着いて落ち着いて」
「お、っ、お友、達に、なってくだ、さ い!」
「俺、と?」
「うん!」
「…いいの?俺で」
「うん、俺、また沢田くんと 話、したい!」
「…うん、俺も!」
「うひっ!」
「じゃあ俺たち、今から友達!よろしくね」
「よよ、よろしく!」


ブンブン握った手を振り回し喜ぶ三橋とツナ。

と、そこに、


「三橋!!」
「あ、阿部くん、の声」

「ツナー?」
「山本の声もする」


お互いの恋人が迎えに来たようです。


「俺、行かなきゃ」
「次はたくさん話そうね」
「うん、ばいばい!」
「ばいばい!」





ツッくんレンレン

(あのね、俺)
(新しい友達出来た!)





「高校生の野球部だよ」
「へぇー、じゃあ俺も話してみたいのなー」
「恋人も野球部だって!」
「ますます会いてー!」

「新しい友達?」
「恋人が、野球部の、中学生だ よ!」
「ふーん、よかったな」
「うん!」



―――――
ずっとやりたかった(^^)←
ツナと三橋は似てるところが多いですからね
しかし無駄に長いな…
次は山本と阿部の話が書きたいです←



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