「よし、いくぜー!」
「「王様だーれ」」
「やった!俺が王様!」
「げ…田島かよ」
「すっげー嫌な予感」
「じゃあー」
「(…緊張すんな)」
「(田島変なこと言いそうだからな…)」
「(当たんな…!)」
「…1番と10番がポッキーゲーム!」





(1:阿部)と(10:水谷)がポッキーゲーム





「(はぁ!?)」
「(う、嘘だぁ…)」
「あ、俺違うわ」
「誰?1番と10番」
「…俺が、10番」
「(よりによってクソレとかよ!)」
「水谷か…1番は?」
「(言いたくねぇ…)」
「あ、阿部 くん、1番、阿部くんだ よ!」
「っ、三橋!」
「?」
「…ふ、阿部かよ!」


ゲラゲラ、阿部と水谷と三橋以外が爆笑しだします。
腹を抱え、それはもう涙がでるほどに。


「阿部と水谷とか、なんつー組み合わせだよ!」
「田島さいっこー!」
「田島のバカ〜!なんでよりによって阿部と…」
「…(カチン)」
「へっへーん、俺いい命令しただろー」
「よくない!」
「だぁっはっは」
「…クーソーレ?」
「え?」


水谷が振り返れば、そこには満面の笑みの阿部。
その場にいた全員に寒気が走ったのは言わずもがな。


「あ…ああ、阿部」
「よりによって、俺と?」
「いや、その…」
「奇遇だな、俺もそう思ってたところだ」
「う、え?」


すっと息を吸い込む阿部。
そして、


「俺だってよりによってクソレなんかとそんなゲームしたかねぇ!!」


キーンと耳に響く大声で、阿部が怒鳴ったため、全員耳を塞いでいます。


「(うぅ…、俺いつか阿部に殺されるんじゃ…)」
「阿部ー」
「…んだよ田島」
「王様の命令は絶対だぞ?やらないはなしな!」
「「…」」
「はいポッキー、俺あったから」
「さ…栄口ぃっ!」
「…チッ」
「あ、阿部、くん 頑張、って ね!」
「よしクソレ、三橋が応援してるからやんぞ」
「ええぇ!?」


三橋の一言でやる気になった阿部。
口にポッキーの片側をくわえて待っています。


「ふぁやふひろ!(早くしろ!)」
「うわあー…」


恐る恐る水谷もポッキーに口を付け、お互い食べだします。


ぽり、ぽり


「阿部、けっこー平然と食ってんなぁ」
「まぁ阿部だし…水谷はすげー怯えてっけど」
「そのままキスしたら面白いのになっ!」
「…!」
「こら田島っ」
「しちゃいそうじゃん!」


さてさて、ポッキーも残りわずかです。


「あ、あ う…」
「ん?三橋?」
「どーした?三橋」
「だ、っ…」
「だ?」





「だめ、だ よっ!」





「うぉっ!」


どしーん、という音とともに、阿部と三橋は床に倒れこんでいました。


「あ、ポッキー折れた」
「み…三橋?」
「だ、だめ…阿部くん だめだ、よ」
「はぁ?」
「だ、め…うぅっ」
「なっ!?なに泣いてんだよお前は!」


ひぐひぐと音を立てて泣き出した三橋の背を、ぽんぽんと阿部が叩きます。


「なんだってんだよ…」
「あ、阿部く…」
「あぁ?」
「お…俺以外、と、キス しちゃ、だめ」
「…は?」
「俺 以外と、キス、したらいや、だぁ…っ」
「っ!」
「ふ、うぇっ…」
「…あのなぁ」


はぁ、と一つため息を吐いてから、阿部がむぎゅっと三橋を抱き締めました。


「ぐ、ぅ」
「なんでクソレなんかと俺がキスすんだよ」
「だ、って 田島くん、キスしちゃう、って」
「あほか」
「うっ」
「俺がキスすんのも抱き締めんのも、三橋だけだよ」
「あ、べ くん」
「わかったか」
「う、ん、わか った!」
「おしっ」
「う、うひっ」


にこにこ三橋。
なんだか阿部と三橋はいい雰囲気になりましたとさ、ちゃんちゃんっ。


「お、俺って…」
「どんまい、水谷」
「面白かったなー!」
「田島ぁ…」



―――――
無駄に長いや…汗
阿部と水谷を引いた管理人ってすごい(笑)
アベミハ風味でした!



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