「みっはしー!」
「田島、くん!!」


大きな声で俺を呼ぶ、のは田島くんだった。


「田島 くん、なんだか、嬉しそう、だ」
「花井がな、俺のこと好きって言ってくれたんだぜ」
「ん、…?」
「花井照れ屋だから、あんま言ってくれねんだよ」
「そう なの?」
「そーなんだよ、だから、すっげー嬉しくてさぁ」
「…う、ぉ」
「そのままキスでもしてくれれば「田島あぁぁっ!」


聞こえてきた大声に、思わず肩がびくりと鳴った。

でも、俺にじゃない。


「あ、花井ー」
「お前、なぁ…!どうしてそう、べらべらといらないことを…っ!」
「だってホントに嬉しかったんだぜ?花井が好きって言ってくれて」
「〜っ」
「たまに、不安になるし…ま、俺は花井のこと愛してっからいいけどな!」
「…だぁーっ、もう!」
「花井の顔真っ赤〜」
「うっせ、赤くねぇよ!」
「にしし〜」


花井くん、顔が真っ赤だ。
これが、田島くんの言う照れ屋ってこと、なのか。


「…阿部はあんまり、好きとか言わなそうだよな」
「いっ、言う よ!」
「嘘、マジで!?」
「柄じゃねー」
「あ、阿部くんは!」


阿部くんは、優しく、俺に好きだよって、言ってくれるよ。
髪を撫でて、ぎゅってしてくれるんだ。

だから、俺も好きだよ、ってぎゅってしたら、阿部くん、嬉しそうに笑う。

俺、花井くんみたいに照れるけど、いっぱい、好きって言うよ。
阿部くんに、笑って、ほしいんだ、俺。


「ふ、ふひっ」
「…阿部、愛されてんな」
「だってよ阿部ー、狭い部室の中で、聞いてなかったわけないよな」
「………うっせ」
「あ、ああ阿部くん」


ふと後ろを振り返れば、頭を抱えた阿部くんがいた。

お、怒らせ、た?


「ご、ごめ なさ」
「別に怒ってねぇよ」
「…う、うひっ」
「ほら阿部ー、三橋は好きって言うんだってよー」
「阿部も三橋のこと好きなんでしょー?」
「言わなきゃなー」
「…、くそ」
「あ べくん?」


よく見ると阿部くんは、いつもより顔が赤かった。
あ、あれ?
どうしてだろう。


「三橋、三橋は阿部のこと好きだよな?」
「す、すっ、好き!」
「阿部は?」
「…」
「あーべー?」
「阿部くん、俺の、こと 嫌いに「なってねぇ!」


阿部くんが、いつもみたいに、怒鳴った。

や、やっぱり、怒ってる。


「ひ、ひぐ…」
「あーもう泣くな!怒ってねぇって言ってんだろ!」
「それが怒ってるみたいなんだってば」
「ほら阿部ー、早く返事しろってー」
「た、田島!(それ以上阿部を煽るな!)」





ばん!





すごい音がしたと思えば、阿部くんがロッカーに手を当てていた。
片方の手をぐっと握り締めて、俯いて。
…怒ってるようにしか、見えない、よ、阿部くん。

と思うと、顔をがばっと上げて俺を見た。





きだよ!

(俺はお前が好きだ!)
(つーか、言わせんな!)





「う、ひ、(やっぱり、怒って、る…)」
「…三橋、三橋」
「田島、くん」
「気にすんな、あれ怒ってんじゃなくて照れてんだ」
「て、れ…?」
「そー、花井と一緒」
「そ、う なの、か!」


「あ、阿部、落ち着「はーなーいー!」
「ちょっ、阿部!」
「お前んとこの田島どーにかしろよ!なんで俺がこんな目にあわなきゃなんねーんだよ!つーか元はと言えばお前が「わー!すまんすまんすまん!」



―――――
どうやら管理人は阿部に怒らせて照れさせるのが好きなようです←ワンパターン



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