「三橋」
「?」
「この曲、好きなのか?」
「ど、うして?」
「なんとなく」
「う、阿部、くん、すごい!俺、この曲 好き!」
「ふーん、そっか」


三橋が、嬉しそうに笑っていた。
たまたま、鳴った俺の携帯の着信音を聞いて、だ。

この曲が好き、らしい。

この曲はたしか、男が女目線で歌ったラブソング。
だとかなんだかクソレが言っていた気がする。

聞いてみろ、とクソレに無理矢理着信音にされてそのままだったな。
まぁ、嫌いじゃない。

三橋は、こういう曲が好きなのか。


「阿部、くんも、好き?」
「あ?」
「この 曲っ!」
「嫌いじゃねーよ」
「そう、な のか!」


うひ、と三橋はさらに嬉しそうに笑った。

いったいなにがそんなに嬉しいんだ。
そんなにこの曲が好きだってのか、三橋は。


「笑いすぎ、だろ」
「うひ?」
「いったいなにがそんなに嬉しいんだよ」
「だ、だって ね!」


三橋は、じっと俺の目を見ながら、また笑った。


「俺、嬉しいん だ!」
「?」
「あ、阿部くんと、好きな曲、一緒、で!」
「え?」
「なんだか、嬉しいんだ、阿部くんと 一緒!!」


そう言いながら今度は鼻歌まで歌いだしやがった。

…なんだよ、こいつ!

自分の身体が熱くなり、頬の紅潮を感じた。
なんで、こう、人を、照れさせんだ、こいつは!


「俺、もね、この曲 着信音、なんだよ!」
「へぇ」
「おそろい、みたい!」
「…そうだな」


おそろい、って。
…なんでこいつ、こんなかわいいんだよ。

でも俺も、おそろい、はなんとなく嬉しい。

………そうだ。


「おい、三橋」
「?」
「俺、この曲、お前専用の着信音にしてやるよ」
「お 俺、専用?」
「そ、この曲、好きなんだろ?だから、三橋専用。」
「 う、嬉しい!」


そうすると、また満面の笑みを見せるから。

やっぱりなんか嬉しい。

この曲好きになりそうだ、なんて思ってしまった。





専用の着信

(お前の好きな曲だから)
(聞いたら、お前の笑顔を思い出すから)





「あ、べくんっ!」
「なに」
「おお俺も、阿部くん、専用に、する よ!」
「!」
「お、おそろい!」
「…(あぁ、もう!)」



―――――
いろいろもんもんしてる阿部が好きです
書けないんですけど←



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -