No one knows what's your struggle
'Cause you're in the air




彼女はいつも一人で、自分自身と戦っているような人だった。
過去を顧みず、いつでも勝ち気で、気高い人だった。

「トシ」

そう呼ぶ声が好きだった。
名前を呼べば不敵に笑い、恐いほど白い綺麗な顔で、俺を見る。

たまらない。
ぞくぞくと背筋か痺れるような感覚が走り抜ける。
その滑らかな肌も、華奢な身体も、細く長い四肢も、指先までも、

「愛している」

んー?と振り向いた彼女は、真剣な俺の顔をまじまじと見つめて、ふんと鼻で笑った。

「私も愛してるよ、トシ」

薄っぺらい愛の言葉。
それでも彼女と関われる幸福。嗚呼俺は彼女を愛しすぎている。その自覚もある。それでも俺は彼女に溺れ続けたまま、馬鹿みたいに彼女に尽くし続けるのだ。

愛してるなんて言ったって、彼女が見ているのは俺じゃない。それでもいい。

「人を、愛したいのよ。私は自分の人生をかけて、人を愛していたい。焦がれていたい。ぼんやりしてるうちに人生なんて終わってしまうもの」

シーツに埋もれて、彼女は酷く綺麗に笑った。隙間から覗く白い肌に、俺は魅了され、その視線に翻弄される。

「だから私は精一杯愛すから、トシも精一杯私を愛してね」

言われなくても愛しているよ。出会った時から俺はお前に惚れている。
お前には負けっぱなしだ。


勝ち戦


折角なら痺れていたい
明日は待ってくれないし


song by....東京事変

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企画スポーツ様へ提出!

東京事変さんのアルバム企画とゆう事で張り切って書かせて頂きました^^

ありがとうございました!


2010.柳
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