「ゴールド」

呼び声に振り向けば、そこには浅朱色。

まさかこんな所で出会えるとは、と、ゴールドはコガネシティのゲームセンターで、珍しくキューの尖端をビリヤード球からはずした。

「………ゴールド?」

「…赤……め、珍しいな…」

シロガネやま以外で出会うなどと思っていなかったゴールドは、吃りながらも言う。

「……僕だって、ずーっとシロガネやまに引き篭ってるワケじゃないんだよ?

今日は、緑の頼みごとでコガネシティに来たんだ」

「緑の?」

「うん」

何だかんだ言っても、やはり唯一の好敵手で親友な緑を、赤なりに大事にはしているらしい。

ゴールドは、小さく笑った。

「……で、ゴールドはゲームセンターなんかでなにやってたの?

こんな怪しい人ばっか居そうなトコ、一人で来ちゃダメだよ」

「いや、ゲームしに来る以外に何すんだよ…。

てか、怪しいとか………」

「どっかのゲームセンターには隠し通路があって、地下は悪の軍団の基地になってるって、ウワサで聞いた」

「!!」

「そんな怪しい場所に、可愛いゴールドが1人で……拐われる!誘拐されるに決まってる!

ダメだよ1人でこんなトコ来ちゃ、次からは僕を呼んで」

「いやいやいや、大袈裟だって……。

つーか赤、落ち着け………」

「何?僕みたいな根暗とは2人きりでは居られない…?

そうだよね、ゴールドはもっときらびやかで…」

「なっ?!

ちょ、赤?落ち着け!頼むから!!」

「引き篭もりの僕じゃ釣り合わないんだよ…」

「……………!!」



いい加減にしやがれ!



「フザけんなよ!じゃあオレが今までシロガネやまで赤と居た時間は何だったんだよ!

自分を卑下するのも大概にしやがれ!

お前は、赤は、オレの………」

「………ゴールド…?」

「………赤は、オレの……

こっ、恋人…、だろーがッ……!」

「…!!」

「恥ずかしいこと言わせんな!

………かっ、帰る!」

「ゴールド、待って!」


 









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