「さーむーいー…」
吹雪が酷く季節もわからないシロガネやまで、ゴールドは寒さに震える。
長袖を着ているものの、此処に年中居るワケではない。
半袖の赤を横目で流し、何か寒さを紛らせるものを探した。
「………ピィカ…?」
「……ピイ、チュ…!」
名を呼び、わしゃわしゃと黄色い毛を撫でて、抱きしめる。
もちろんそれは、赤のピカチュウとゴールドのピチュー。
あたたかい、その小さな身体の体温に触れ、ゴールドは頬擦りすらした。
「…………」
「ピィ…カ?」
「ピチュ?」
「………赤…」
ひょい、と腕から温もりが消える。喪失感を感じながら顔をあげれば、そこにはピカチュウを抱えた赤が立っていた。
「………何してるの…」
「……だって、寒ィんだよ」
「……………ふーん」
曖昧な返事をして、赤がピカチュウに目配せする。
さすが相棒、すぐにそれで理解したのか、ゴールドの後ろへと走り抜け、ゴールドの腕の中に居たピチューと共に姿を消した。
2匹が居なくなり、また寒さを感じる。
小さく身震いしたゴールドを、赤は後ろから抱きしめた。
温もりを感じる
「なっ……なぁぁぁあ……っ!」
「………寒かったから、ピカチュウ抱きしめてたんじゃないの?
だったら、僕でもいいじゃない……」
「いっ、いやっ…、あのっ……!」
「……顔、赤くなってるよ…。風邪……?」
「(違ぇぇぇええっ…///)」
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