「…レッド先輩?」
「……ゴー。こんな所で何やってんだ?」
「修行に決まってるじゃないっスか。
先輩も?」
「まぁな」
そんな会話さえも吹雪で掻き消されそうになるシロガネやま。
そこで、偶然にもレッドとゴールドは遭遇した。
「……ゴー1人、ってワケじゃないよな?」
「………えっ、あの、…ハイ……」
肩に前髪のはねたピチューをのせて、曖昧に笑ったゴールド。
反対側の肩に、レッドのピカよりも少し大きいピカチュウが乗っていた。
「……………今から暇?
よかったらバトルしない?」
「…お誘いは嬉しいっスけど、約束があるんで」
肩のピカチュウとピチューが鳴き、それを合図とばかりにゴールドが振り返り、レッドに申し訳なさ気に笑う。
「…そっか。連れの人によろしくな!」
そう言うと、ゴールドは、にぱっと笑って去って行った。
笑顔で見送る
ゴールドが見え無くなってから、レッドはギリッと歯を食いしばる。
「………今は、アンタの好きにさせといてやるよ」
でも、とレッドは誰に告げるでもなく、続ける。
「…負けないからな」
レッドの肩にいたピカが、小さく鳴いた。