「………」
濁った黄金色が、浅朱色を見て、しかしフッと顔を逸らす。
「………ダレ?」
「、僕は………」
キミの恋人だと、言えなかった。
キミのような明るい太陽みたいな人間と、僕みたいに暗くて月みたいな人間が、そうそうすぐに相容れはしないと思って。
嫌われたら、嫌だと。
自分の護身のために、キミに嘘を告げる。
「………、親友…だよ……」
「……………」
記憶のないキミは、そっか…、と呟いて、また窓に視線を向けた。
「………っていう夢を見たんだ」
「…はぁ」
早朝一番、夢の世界から引っ張り出されて自慢の低血圧が絶好調なゴールドが素っ気なく返事する。
「僕はさ、ゴールドがもし本当に記憶が無くなったら駄目になるんだよ。
今の関係には絶対戻れない」
「………あのさ、
オレなら…、オレがもし赤の立場に居たとしたら、
オレは堂々と赤の恋人だって言えるぜ?」
「………!」
「例えそのことで赤との関係が崩れたとしても、オレは自分の気持ちに嘘はつきたくないからな」
その瞳は濁っておらず、ハッキリと赤を捉えた。
最強って呼ばれても、
「………ゴールドにはかなわないなぁ…」
「赤はさ、愛が足りてないんだよ。心がまだ子供なワケ。
オレはその分、仲間や妹にたくさん助けて貰ったからさ」
そう言って、ゴールドは赤を抱きしめた。
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