純白い結晶が降り注ぐ自然の要塞、シロガネやま。
そこで事件は起こった。
「ゴールド……、この前緑と一緒にタマムシでデートしてたって本当……?」
「………は?」
赤の言葉に「何訳わかんねぇことを」という表情のゴールド。
記憶を辿らせて見ても、それらしい記憶は見当たらない。
大体、最近は赤と共にシロガネやまに篭っていたのだ。
そんなことないと、赤が一番知っているハズなのに。
「………つーかここ2週間緑には会ってねぇし」
「…でも、」
「………オレのこと、信用出来ないの?」
「……………!」
なんとなく言ったその言葉に、赤が小さく反応する。
「……本気で言ってるの…?」
「………なにが、」
「僕が、ゴールドを信用してないだなんて…。
あるワケないのに」
バン、と押し倒されて。
日に当たらない白い腕がゴールドをとらえ、行く手を阻む。
「……ちょっ、れ…、赤…」
「………僕が、心から信頼してる人なんて数えるくらいなのに…」
そう言って、軽く口付ける。
「…緑だって、アイツ、バカだから……。
そういうトコ行ったらすぐ口滑らしちゃうし……」
だから、嘘だって思ってた。
でも、噂はここまで来ている。
その悲しそうな瞳を見て、ゴールドはふと先日のことを思い出した。
『……それでも俺は、レッドのライバルだからな…』
原因はアレか。
『あのバカがまた怪我して帰ってきた。消毒液とか包帯とか買いたいからついて来てくれるか?』
たまたま寄ったマサラタウンのオーキド研究所で、緑とそっくりなグリーンにそう言われて、タマムシデパートに行ったことを思い出す。
まさかあの時…、と半笑いすると、鋭い赤が表情をかえた。
「………何、心当たりあるの?」
「えっ?…い、いや、………」
「…ゴールドが答えてくれないなら、身体に聞くまで」
「なっ、ちょ……!」
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