「ゴールド、似合ってるぞ」
「………全然嬉しくねぇ…」
おっすオレゴールド。
此処はジョウトのオレの家……ではなく、カントーのブルー先輩の家にオレは居る。
「どぅ?シルバー、……ってゴールド。
あらやだ、似合ってるじゃない」
「ブルー先輩…」
この姉弟が口を揃えて『似合っている』と言うの原因はオレの格好にあった。
「変装用で1回しか使わなかったけど、捨てずに持っててよかったわ!」
「いや捨てて下さいよ…。
つーか、ブルー先輩どこに密偵しに行ってたんスか……」
「どこだっていいじゃない。
ホントに似合ってるわよ、セーラー服」
「あぁ。いいぞ生足」
「死ねよシルバー」
そう。オレが着てるのは女物の服、しかもセーラー服。
オレがこれを着るハメになったのはまぁいろいろ経緯があったワケなんだが、カンタンに略すと『ゲームで負けたから』。
敗者は勝者の言うことを聞くってヤツな。
「次はコレね!」
イヤイヤ先輩、次って。オレ一回しかシルバーに負けてないんスけど?
「そんなの知らないわよ。
衣装提供してあげたんだから少しはアタシに付き合いなさい!」
そんな横暴な!
シルバー、たすけ………。
「次はナース服なんてどうかな、ねえさん」
…こんのムッツリがぁぁあ!!
「えー、こっちのキャビンアテンダントのは?」
「だったらこのドレスなんて……」
「あっちのスーツとか………」
結局、オレがこの姉弟から逃れたのは、あの後から5時間も経過した頃だった。
七変化なんて軽過ぎる。
「ゴールド、きっちりアルバムに保存したからな!」
「バクたろう、とりあえずカメラとSDカードにかえんほうしゃだ」
「オーダイル、なみのりだ。
………そんなに照れなくとも、写真は俺とねえさんしか持ってない」
「何故ブルー先輩に渡したァァァァア!!!!」
「レッドー、この写真買わないー?」
「え?何々、何の写真?」
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