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校日和

おしどり夫婦

「良いも何も、とっかえひっかえだぞ」

 プリンが答えると、ココアは壮絶に白い目をポトフに向けた。

「ちょ、枕!! この会話の流れで何シャレにならねェこと言ってんだ!?」

誤解です!! と必死に弁明しつつ、ポトフはプリンに牙を剥く。

「だって事実だ」

「だってじゃねェし!!」

ぶうっと膨れたプリンを、ポトフがすかさず両手で破裂させると、

「へぇ、そうなんだ。じゃあ、どうして"おしどり夫婦"なんて言うようになったのかな?」

素知らぬ顔で、ミントは話を続行させた。
おいミント、と冷や汗をかいてこちらに顔を向けたポトフは視界に入らない。

「うむ。求婚中はやたらオスがメスに付き纏うから、それを見た人が仲の良い夫婦と勘違いしたそうだ」

プリンもプリンで、彼の疑問についてさらさらと述べる。

「ストーカーっぽいね」

ミントは納得したようにポトフを見る。
しかし、そこで納得されるのは誠に遺憾なポトフ。

「……で、それでなんでとっかえひっかえなのー?」

その間ココアは、聞かなきゃ良いのに質問を続けた。

「結婚して結婚してとしつこく付き纏った挙げ句、結婚して子どもが出来たらさっさと他のメスを探しにいくらしいからな」

プリンは、至極動物らしい習性を口にした。

「ふーーーん?」

最悪だ。

「こ、ココアちゃ……」

「私、帰るー」

「ままま待ってココアちゃん本当に誤解だぜェ?!」

すったすった歩き始めたココアを追いつつ慌てふためくポトフ。

「コーラおかわりしよっと」

「うむ。僕もプリンのおかわりだ」

そんな状況に陥れた張本人×2は、のんきに好物をお代わりしに席を立った。


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