あけました | ナノ
31日、彼の誕生日は私の家で二人で過ごした。ケーキとご飯を作ってお祝いして、大晦日の特番を見ながら来る新年を待って。胡座をかいた彼の足の間に座り二人でカウントダウンを待つ。テレビから流れるカウントを一緒に数えて、ゼロになるその瞬間にはキスをした。
「あけましておめでとう」
「おめでとさん」
今年もよろしく。新年早々甘ったるい雰囲気の中そんな挨拶を交わした。
「よか年になりそうばい」
彼の大きな腕の中で身体中に幸せが染み込んでいくのを感じる。温もりも匂いも声もぜんぶぜんぶ体に詰め込みたくて目一杯吸い込んだ。肺腑に染み込んでいくそれらがあまりにも甘ったるくて苦しくて吐き出しそう。だけど空気中にその幸せを逃がしてしまうのはもったいないから、ゆるみきった笑顔を浮かべる彼の頭を引き寄せてその肺におすそわけしてあげた。
ハッピーがニューしてイヤーしちゃう
あけましておめでとうございます!×