眠り姫と王子様とその後 | ナノ


「財前くんファイトー!」

部活でフリーの打ち合いが始まり俺の番が来た。コートに立った瞬間に一際でっかい声援が辺りに響く。がんばって応援してくれるんはええけど恥を知れあのドアホ。

「あ!こっちむいた!おーうい!」

おーうい!ちゃうねん嬉しそうに手ぇブンブン振んな。犬かお前は。

「ざーいぜん。彼女が気になるんは分かるけど見すぎやで」
「やってうるさないですかあれ」
「かわええやん、犬みたいで」

なつかれてんねやなあ、財前。くすくすとおもしろそうにアイツと俺を交互にみて笑う部長にめっちゃ恥ずかしなった。

「ねぇねぇ忍足先輩やばくね!あそこのピアスやばくね!」
「あー…はいはいせやな」
「ウホッ!今のスマッシュまじやばくね!みました?やばくね!」
「やばいやばい。俺そろそろ戻ってええか」
「うきゃー!ワンゲームとったよ!エクスタシー先輩からとったよ!やばくね!忍足やばくね!」
「勢いあまって先輩つけるん忘れてんで自分」
「おいみろよ忍足!」
「わざとやろお前ぇぇ!」

何やってんねんアイツら。全部聞こえてんねんけどこれ。

「愛されとるなあ」
「すんませんあとで躾します」

毎日先輩に冷やかされるこっちの身にもなれっちゅーねん。



なんやかんやしあわせもの
0223
とかなんとか言いつつやる気はいつもの倍出てるよな(白石より)


 

×