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「さっき部活で真田がすんごい突っ掛かってきたんじゃけど」
「へーえ」
「それだけならまだしもジャッカルにまでなんか言われたんじゃけど」
「ふーうん」
「あっ柳生も小言言ってきた」
「わたくし勉強中ですので静かにしていただイテッ」

ドスッと鈍い音を立ててヤツのチョップが脳天にクリーンヒットした。頭を抱えて睨み付けるとすんごい睨み返された。怖い目付き悪すぎる。

「あーこれもまた報告ダナー」
「やっぱりチクったのお前さんか」

その日の昼休み、丸井くんに協力してもらい仁王から離れA組に向かった。選択授業で丸井くんと言ったように真田くんに仁王のことをチクるためだ。しかしまあいざ行ってみるとそこには真田くんを始め立海のアイドル的存在の柳くん柳生くんがずらっと集まっていたのだから驚いた。壮観だった。

「人聞きの悪い。報告と言ってくれないか」

正直ちょっと圧倒されて言うの躊躇ったんだけどそこは丸井くんに助けてもらいつつ、結果わたしは真田くんだけに飽きたらず多くの人に仁王の所業を知らしめることが出来た。仁王が何を言われたかは知らないが泣き落としまでしたのだ。それ見て真田くんとかかなりキレてたしさぞかし怒られたことだろう。

「しかもブンちゃんと」
「丸井くんはいいお供だったよ」

むっすーとあからさまに不機嫌ヅラな仁王。おもしろすぎて写メとった。ら、二度目のチョップを食らった。めちゃくちゃ痛い。

「仁王に怒る権利はないからね。わたしは仕返ししたんだから」
「確かに真田と柳生はえらい怒っとったがそがいなもんは聞き流せる」
「え…、つまんね」
「けど柳は笑っとったぞ。泣き真似上手かったっちゅーて」
「ば、ばれてただと…!」

あの時真田くんたちと一緒に心配してなぐさめてくれていたのに、まさかあの困ったような優しい表情は全て嘘だったというのか…!

「俺はそっちの方が恥ずかしゅうて辛抱ならんかったぜよ…」

はああ、と深いため息を吐いた仁王は部員にからかわれて恥ずかしかったのかかなりダメージを受けている様子だ。結果よかった、けど、これわたしもダメージ食らったよね恥かいたよね。

「…仁王、」
「…なんじゃ」
「お互いやりすぎたと思わないか」
「…そうじゃな」
「反省しよう」
「そうしよう」

そうして今日は勉強せずにふたりしてとぼとぼと帰った。わたしまでダメージを食らうはめになったものの、その甲斐あってかこの日を境に仁王は行動を多少慎むようになるのだった。

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