偶然の出会い
主人公視点

アイスを食べ終わり、解散となったので、私はいつものように千歳と2人でいつもの道を歩いていた。今日は会話がない。ていうか、千歳機嫌悪い…?



「………」
「………」
「…千歳」
「…んー」
「…なにぶそくってるの」
「別に」


めんどくさい。


「………」
「………」
「…優奈」
「何」
「…なして跡部が優奈の携帯番号知っとっと?」
「そんなの私が聞きたいくらいだよ」
「…いつも連絡取りあっとると?」
「…メールはくるけど返事はしてないよ」
「…ふーん」


なんだこいつは…



「…何?」
「別に」
「………」
「………」
「…跡部と仲よかね」
「どこをどう見たらそう思うの」


ていうか、別にって言っときながらしっかりなんかあるな。ややこしい



「…俺も…」
「…何?」
「や、なんでもなか」
「…?へんなの」



今日の千歳は変だな。試合前でナイーブにでもなってるのかな。あ、そうだ



「千歳、家で一人ってさみしい?」
「え、なんね急に」
「別に、ちょっと思っただけ」
「ああ、最初はさみしかったけん、もう慣れたばい」
「…へえ」


なんかそれって、ちょっと悲しいような…


「千歳、『きゃ――――――ッ』…え?」



振り返ると、なんとまあそこにはお母さんがいた。なんていう偶然…どうやら買い物帰りらしく、手にスーパーの袋を沢山持っていた。



「お母さん」
「ちょっと優奈!こっちのカッコ良い子は誰?誰なのっ?」
「え、優奈のお母さん?」
「こんにちは〜優奈の母です〜」
「どうも」


や、ややこしいことになってきた…なんでお母さんと千歳が挨拶してるんだ



「優奈ちゃん良かったわねえ身長が合う彼氏ができて!」
「彼氏じゃないから。部活仲間だから」
「千歳です。優奈のお母さん、おもしろかねえ」
「もー隠さなくていいのにっ。千歳君、うちすぐそこなのご飯食べていってね!」
「お母さん!?」
「はやくいきましょ!」


お母さんは千歳をぐいぐい引っ張って家の方向へ向かって行った。なんだこの展開は…なんでこうなる。今日はとことんツイてないらしい。


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bkm
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