複雑な彼女
「もー!優奈ってばどこ行ってたのよ。サボるんなら私も誘ってよね」
「…巨人に会った」
「は?なにそれ」

教室へ帰るとHRはとっくに終わったらしく、みんな次の授業の支度をしていた。

席に戻る途中、友子の他に、謙也や白石にもそれぞれからどこいってたんだと声をかけられた。全部に返事をするのはめんどうだったので、軽くスルーした。

元々喜怒哀楽の表現が下手くそな私は、いつも怖がられて友達がいなかった。なので最悪友達がゼロでも全く気にならない。
友子は二年生の時に向こうから話しかけてきた珍しいタイプの女子で、友子以外に今まで友達ができたことは一度もなかった。
元々高い身長のせいで怖がられることが多かったし、この無表情のせいで誰も私に寄り付かなかった。
男子にはよく陰でコソコソ何か言われることも多かった。

部活も本当は帰宅部になる予定だったけど、校則で必ず部活に入らなくてはいけないと言われ撃沈していたところに白石からテニス部のマネージャーをやらないかと誘われたのでなんとなく入っただけだった。

新学期は何かと面倒なことが多い。自己紹介やらなんやらで。はやく落ち着いてこないかな。


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bkm
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