感謝される彼女
忍足視点

合宿二日目が終わってついに明日は最終日。さすがに体も疲れてきよったわ。
やっぱり疲れた体にはいい食事といい睡眠。飯はめっちゃうまいし、早く風呂に入って寝よか…。


「……岳斗、いくつ納豆食ってるん。さすがに臭いで」
「うるせー侑士!納豆は最高にうまくて体にもいいんだぜ!」


まあそらそうやけど。限度があるやろ。夕食の席で納豆を混ぜ続ける岳斗を横目で見ながら、チラリと目の前の跡部へと視線を移した。
跡部、元気あらへんな。今日は四天宝寺の優奈ちゃんとハデに喧嘩しとったもんなあ。
氷帝じゃ何人も女の子フったりしてる奴が、本命になるとこれか。跡部もわかりやすいわ。

ガタン

「跡部どこいくんだよ。便所?」
「……今日はもう休む」

あれま。ほんまに重症やな。声をかけた岳斗に目を向けもせず食堂を後にした跡部。直接本人に聞いたわけではないが、おそらく跡部は四天宝寺の優奈ちゃんにだいぶ前から片想いしとる。
一年の頃から跡部とおるけど、跡部があそこまで目で追う女の子はみんな優奈ちゃん以外見たことがない。
しかも今回はめっちゃ喧嘩売りまくっとるし、相当「誰?」と言われたのが悲しかったんやろな。


「……あー。眠い…あれ?ココどこ?」
「ジロー!お前飯食いながら寝てんじゃねーよ。激ダサだぞ」
「ジロー先輩、行儀悪いですよ」
「あー…食堂かー…。あれ、跡部はー?」
「跡部ならほっといてやりや。傷心中やねん」


ま、少し可哀想やし、元気づけに行ってやるか…と思いながら俺も一足先に部屋へ戻ったが、そこには跡部はいなかった。どこいったんやあいつ…ほんまに傷心中やな。

しばらくすると岳斗たちも部屋へ戻ってきたから、全員で風呂に入りに行った後は、部屋でおきまりのトランプパーティーで盛り上がった。跡部、ほんまにどこいったんや。


ガラ


「あ!部長!お疲れ様です」
「どこいってたんだよ跡部!もうトランプ始めてるぞ!」
「フン、トランプか。庶民の戯れだな。」
「クソクソ跡部!言っとくけど俺大富豪超得意なんだからな!」
「あーん?大富豪は俺様だぞ」


…なんか元気になっとるやん、跡部の奴。ていうか今までどこ行ってたんや。ていうか、なんやねんその緩みまくった顔。もしかして優奈ちゃんと仲直りしたんかな?


「跡部、なんや嬉しそうやなあ。なんかあったん?」
「フン、何もねえよ」


こりゃ、なんかあったな。ま、何はともあれ跡部の奴元気になったみたいやし、明日優奈ちゃんにお礼でも言うとくかな。


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bkm
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