主人公視点
10年ぶりに泣いた夜から一夜明け、合宿も2日目。朝はしっかりと起きて、とりあえず何も起こらずに朝練を終えた。そして朝食を取りに食堂に来ているのだが、とにかく謙也と千歳が鬱陶しい。
ずっと私の横から離れないのだ。こんな守られ方望んでないんですが…。
謙也と言い合いしていると、後ろから聞こえてきたのは跡部君の声。目障りだと言い放ち出て行ってしまった。
ああ、またやってしまった…。
目障りだという言葉が頭に響いて離れない。
「大丈夫やで優奈ちゃん。あんまり気にしとったら、仕事に影響出るで?」
「小春の言う通りや!にしても跡部のやつ、桜井に冷たすぎへん?お前あいつになんかしたんか?」
一氏の言葉に私は今までの一連の絡みを思い出して見る。特に何かした覚えはない。ていうか、昨日会ったばかりなのに何をしたと言われても……
「桜井が跡部のことを気にしている確率100%」
ぬっと現れたのは、立海の柳君だった。
どっから現れたんだ!
「が、心配する必要はないぞ桜井」
「え…?」
「お前は特に悪いことはしていない」
「それ、どういう……」
「お前はデータのとり甲斐があるな。」
怪しげな笑みを浮かべ、柳君は食堂から出て行った。私、やっぱり悪いことしてないよね……。何が原因なんだろうか。気になって仕方がない。