「白石に桜井やん!同じクラスやったんかー!」
友子の小言を聞き流しながら窓の外を眺めていると、向こうから謙也がバタバタとこちらへ走ってきた。やかましいな。
「よ、謙也。俺と桜井は隣の席やで。お前は?」
「あー俺一番前の教卓の目の前やねん。ほんまついてないっちゅー話や」
「そら災難やなあ」
「桜井ええなー。めっちゃ特等席やん。俺と交換してや」
「……は?」
今日はいい天気だ。きっと外で寝たら気持ちいいだろうな。私はやかましい謙也に適当に返事をし、屋上へと向かった。
、
「……白石…桜井は俺のこと嫌いなんか?」
「何泣いてんねん。桜井のアレは今に始まったことやないやん」
「二人とも苦労してるのねー。優奈ってばほんっと愛想ないんだから」
「せっかくの美人なのにもったいないな」
「てか、桜井のやつどこいったん?HR始まるで」