べそかく彼女
主人公視点

やばいやばいやばい。本当に休憩が始まってしまう!仁王君の邪魔が入ってかなり時間をロスしてしまった。急いでタオルをカゴに詰めてコートへ走って戻った。久しぶりに走ったので息切れがすごかった。運動不足だ…


「はぁ、はぁ、…白石タオル…」
「偉い疲れとるやん。どうしたんや」
「…ちょっと邪魔が入って…」

全員にタオルを渡していると、向こうの方でドリンクを配ってくれている桜乃ちゃんと朋香ちゃんの姿が見えた。二人とも気がきくなあ…
一通り配り終えたかと思ったが、しまった。跡部君に渡していない…!わたしは急いで彼の元へ向かいタオルを渡そうとした。

「跡部君、あの、タオル…」
「…いらねえ。」
「え…」
「タオルなら樺地が持ってきた。休憩に入ったすぐにな。誰かさんと違って気がきくぜ」


そう言うと跡部は樺地君をひきつれて隣のコートへと向かっていった。
…なんだかものすごく胸が痛い。私、本当に何してるんだろう…。全然役に立ってないよ…。

「優奈先輩!」
「…あ、桜乃ちゃん…」
「大丈夫ですか?顔色悪いですよ」
「あ…ごめん。大丈夫」

しまった、べそかいてたところ見られてないよね。マネージャー失格の上に先輩失格になっちゃうのはごめんだ。


我慢しなきゃ。頑張ればいいんだから。


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bkm
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