柔らかくなった彼女
主人公視点

部屋割りは各学校で分かれていて、マネージャーだけまとめて別に部屋が準備されていた。
マネ部屋へいくと、さっきの可愛い子達がいた。


「あ…桜井先輩!私、竜崎桜乃です。三日間よろしくお願いします。」
「桜井優奈です。よろしくね。」
「私小坂田朋香です!てか、桜井先輩スタイル抜群…!肌も真っ白!うらやまし〜!」

え?私が羨ましい?
私はあなた達が羨ましいよ


「先輩、私たち今から他の学校の人のところへ挨拶に行くんですけど…」
「……あ、そうだね。じゃあ私は青学から挨拶に行くよ」「わかりました!」


そうか、挨拶ね。二人ともしっかりしてる。私は荷物を置くと、青学部屋へ向かった。


にしても広いな……なんだこのこの施設は。まいごになりそうだ。青の間は……あった。あそこだ。

コンコン


「失礼します」


扉を開けるとちょうどみんな荷物を置いて一息ついたところのようだった。

「優奈ー!久しぶりだにゃー!」
「久しぶり、優奈。またきれいになったね。」
「久しぶり、菊丸君、不二くん。二人も背が伸びたんじゃない?」


実は、私は中学一年の春に一ヶ月だけ青学にいたことがあったのだ。もともと東京出身だったけど、親の転勤で大阪へ引っ越して四天宝寺へ入学したのだ。ほんの一ヶ月だけ同じクラスだったのが不二君と菊丸君なのだ。二人ともそのときは話したことなかったけど、去年の合同合宿で少しだけ話をしたことである程度話せる存在になっていたのだ。


「桜井、今年もよろしく頼む。」
「あ…えっと、…手塚くんだ」
「俺のことは覚えてるかなっ?」
「……誰?」

手塚くんはともかくこの卵頭の人は誰だ。後ろにいる背の高い優しそうな人も、隣の怪しい眼鏡の人も、バンダナの人もツンツンのひとも帽子のちびっこも知らない。最後の三人は去年の合宿にいなかったはずだ。



「紹介するよ。右から副部長の大石にタカさん、乾、2年の海堂と桃城、1年の越前だ」
「どうも、四天宝寺の桜井です。よろしく」

せっかく不二くんが紹介してくれたけど、盛りだくさんで覚えられそうにない。とりあえず覚えたふりをしておいた。


「へえー菊丸先輩と不二先輩は桜井先輩と知り合いなんすか?」
「そうだよん。優奈は元々青学の生徒だったんだよね!」
「うん。一ヶ月だけだけど」

青学のひとも個性強そうだけど、四天宝寺よりずっと落ち着いている……この差は一体なんなんだ


「ねえ、優奈」
「……何?」
「少しだけ、雰囲気が変わったね。前より柔らかくなった」
「え……」
「なんかあったのかい?」
「何にもないけど……気のせいだと思うよ」


私の雰囲気が柔らかい?そんなの誰からも言われたことないよ。不二くん、どうしたんだろう。
青学のみんなに挨拶して、次に立海の部屋へ向かった。


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bkm
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