中学3年春。
無事進級を終え、新しいクラスが発表された。
まず自分の名前を探す。そして唯一の友達である友子の名前を探す。ああ、同じクラスだ。…お、白石と謙也もいる。今年は騒がしくなりそうだな…。
ガラ、
新しい教室の扉を開くと、一斉にみんなが私を見た。
一部の女子はじっと私を見つめ、一部の男子はヒソヒソと小声で何か話ていた。…この反応にももう慣れた。身長170もある上に無表情無愛想が私の形容詞。幼稚園の頃から周りに怖がられてきたので今更何をされても動じない。
私の席は後ろの窓側だった。授業中よく眠れそうだな。特等席でチャイムが鳴るまで頬杖をついて外でも眺めていよう。
「コラ、優奈!」
「…!あ、友子」
「あ、ちゃうねん!あんたなぁ、せっかく同じクラスになってんのに声くらいかけんかい!」
「ご、ごめん。」
「ごめんちゃうわアホ」
友子の騒がしい声を受け流していると、隣の席に誰かが座った。
「あ…白石君。」
「おはよーさん。桜井と同じクラスになるんは初めてやな。よろしくな」
「…うん。よろしく」
「相変わらず素っ気ないなあ。せや、今日の部活はミーティングだけやから、そのつもりでおってな」
「了解」
桜井優奈。中学3年。
身長は170センチとやや高め。
無表情無愛想が形容詞。
四天宝寺テニス部のマネージャーです。