睨まれた彼女
主人公視点

ああ、酷い目にあった。とりあえず四天宝寺も集合し、なんとか全校揃った。今回は渡邊先生不在のため、青学の竜崎先生と氷帝の榊先生が仕切るらしい。ほんとにあの真田くんて人は先生じゃないんだな。老けてるな…


「では、マネージャーの紹介だ。全員前へ」


え。自己紹介するのか…いやだなあ…
のそのそと前へ出ると、青学の方から可愛らしい女の子が二人出てきた。

「竜崎桜乃です。よろしくお願いします。」
「小坂田朋香です!よろしくお願いします!」
「桜井優奈です。…よろしくお願いします」


なんか、とても年を感じる…。二人とも小さくて可愛い。それに引き換え巨大で可愛さゼロの私ときたら…天と地の差である。



「もうすぐ地区予選が始まろうとしている。大切な時期だからこそ、合同合宿はいい刺激になるだろう。全員手を抜くことなく最後までやりきること。行ってよし!」

ビシッと榊先生がキメると、一度解散となった。隣では榊先生のキメポーズにゲラゲラ笑っている謙也達と、いつまでも鬱々してる千歳がいた。


「ぶは、あの先生おもろいわ!」
「なんやねんあのポーズ!」
「なあ優奈〜天敵ってどげんゆうこつ?」
「ほらみんな部屋行くで!」

まとまりのない皆を白石が束ね、ぞろぞろと部屋へ向かう。そのとき、私の前に誰かが立ちはだかった。


「……?」
「久しぶりだな、桜井。また背が伸びたんじゃねえか?」
「…………」
「ほんまや、相変わらずべっぴんやな優奈ちゃん」
「……誰?」


1人は丸眼鏡のロン毛、確かこの人は謙也の従兄弟だったはず。名前は忘れたけどその印象でなんとか覚えていた。そしてこの泣き黒子のある偉そうなやつは…


「な…っ、てめぇ、俺様を覚えてねえのか?」
「……どこかで会いましたっけ」
「去年会っただろ!…チッ、いくぞ忍足」
「はいはい。すまんなあ優奈ちゃん。謙也によろしくな」

そう言うと二人は去っていった。なんだったんだ一体。


「おい桜井、ほんまにあいつのこと覚えてないんか?」
「まあ…白石は知ってるの?」
「当たり前やん!氷帝の跡部くんやで。氷帝テニス部の部長や」
「そうだっけ…」

人のこと覚えるの苦手だからな…一年に一回しか会わない人のことなんて、いちいち覚えてらんないよ。


「いいか、今回の合宿で全員覚えるんやで。敵のこと知るのもマネージャーの仕事や」
「…わかった」


氷帝の跡部君ね。覚えとこ。ちらっと去っていった彼らに目を向けると、跡部君と目が合ってしまった。するとギロリと睨まれた。…私そんなにまずいことしたのかな…


これから三日間、不安です


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bkm
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