アホな彼女
主人公視点

白石のアホが連絡し忘れていたせいで合宿の準備がギリギリになってしまった。罰として白石を手伝わせてなんとか間に合ったけど、買い出しが最後に残ってしまった。私は合宿の前日、部活帰りにドリンクの粉と湿布やらを買いに薬局へ来ていた。
目当てのものをカゴに入れると、ふとお菓子コーナーが目に付いた。…いいなあ。少し買って行こうかなあ…
いつの間にか真剣にお菓子コーナーに見入ってしまっていた私は真横に誰かいるのに全く気がつかなかった。


「……ざ、財前くん…」
「先輩…合宿は遠足ちゃいますよ?」


み、見られた…しかも財前くん…ほとんど話したことないのに恥ずかしい姿を見られてしまった…!


「…べ、別にお菓子なんて買わないよ。じゃあまた明日、遅刻しないでね」


私はカゴに入れたお菓子を棚に戻しながらそう言い放ちレジへ向かった。

「3589円です」


レジのお姉さんがそう言った時に気がついた。財布がない。最近財布を忘れる癖が付いていた。ど、どうしよう…これが買えなかったら明日からの合宿に支障が出る…でも家に帰ってたら薬局閉まっちゃうし…
頭でグルグルと考えていると、ふと財前くんのことを思い出した。
いやでもこれ以上醜態を晒すわけには…いや…合宿の方が大事だよね…!






「……なんすか先輩」
「……お金貸してください…」


アホだ


prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -