九州二翼の一人千歳と赤髪の男の子、遠山金太郎君というスーパールーキーを迎え、四天宝寺は抜群の態勢を整えていた。あとは練習あるのみだ。
「なーー優奈優奈ー!わい腹減ったたこ焼き食いたいたこ焼き食いたい」
「遠山君…お願いだから静かにして…」
私は駄々っ子遠山君にすっかり手を焼いていた。しかし、謙也みたいに突き放すことが中々できない。私は何気に小さい子が好きだった。遠山君は、やかましいけどかわいい。だからこそ余計手を焼いてしまうのだった。
「すごいなあ金ちゃん。優奈ちゃんのことあんなに押してるなんて…!」
「ほんまにスーパールーキーやな…」
そんな私と遠山君を小春や謙也がまじまじと眺めていた。助けてよ!
「…遠山君。しっかり練習に参加してきたら、たこ焼きおごってあげないこともないよ」
「え、ほんまか!?わーい!わい練習してくる!」
なんて、ウソだけどね。今日はお財布持ってくるの忘れたんだ。ああいう子は騙すのが一番…。だけど、なんか良心が痛むな…