■アテンション!!
■街擬人化・池袋くん登場
■モブ臨、R18




             と
                         アメ







月の無い夜。街灯の明かりも届かない薄暗い闇の中で、か細い体を押さえつけられて、見知らぬ男たちに蹂躙される一人の青年。後ろから羽交い絞めにされて、無理矢理に足を開かされ、既に剥ぎ取られたズボンや下着は無造作にアスファルトの上に散らばっていた。剥き出しになった性器を見ず知らずの男が、じゅるじゅると卑猥な音を立てながらしゃぶっている。手こきで一度イかされた為、飛び散った精液が男の服に染みを作っていた。後ろから羽交い絞めにしている男は、状況に興奮しているのか、汗をだらだらと垂らして、鼻息を荒く吹き付けてくる。その気持ち悪さに嫌悪して捕まえられている青年は身を捩って逃げ出そうとするも、股間に与えられる快楽によって意志とは関係なしに力が抜けていった。後ろの男は、青年のVネックをめくりあげて、ピンと立つ二つの乳首に手を這わすと、くりくりと摘みんだり、指の腹でなぞった。

「あぅっ!!やめ……もういや…だ」

「ふふ。やだって言っても、まだダメ。」

「なんで……こん……な、……お前……だ……れ っっっ!!!」

「誰だ」と問いかける話の途中で、口に肉棒をぶち込まれて息が詰まる。
後頭部を抑えられて、喉の奥まで無理矢理捻じ込まれた。苦しくて顔が歪む。手も足も動かすことが出来ずに、されるがまま口の中を汚らわしいペニスに犯される。歯を立ててやる余裕すら与えられずに、数度、三人目の男が腰を動かす。自慰行為に近い形でフェラをさせられ、男がぶるぶると小刻みに震えると、ずぼっと根元まで銜えさせられて喉の奥深くに粘着質の液体を撒き散らされた。青年は顔を歪ませて、飲み込むまいとそれを吐き出す。どろりとしたそれは、苦味とともに口の中に広がって不快さに眩暈がした。

「…うぇ……はぁはぁ……お前何……者だ。やめろ……こいつら、やめさせろ!!」

ひどく屈辱的なことをされてもなお、青年は鋭い眼光で少し離れた場所から見物している人物を睨み付けた。

「だ〜めだってば。これはお仕置きなんだから♪素敵で無敵な情報屋・折原臨也くん?おいたが過ぎるから、少し痛い目合わないと、ね?悪戯したらおしりぺんぺん♪て、親に習わなかった?」

軽快な言葉とともに、にこりと笑う少年。見た目はTシャツにグレイのパーカー、下はジーンズを穿きこなすどこにでもいる至って普通の少年だ。頭にはキャップ帽を目深に被っているため、顔ははっきりとは見えないが、高めの声からその幼さが垣間見える。髪は薄い茶色で、クセ毛なのか外に跳ねていて活発な印象を受けた。
そんな一見平凡な少年が、この異常ともいえる空間を取り仕切っていた。






その日―――

折原臨也は、いつものように仕事兼趣味の人間観察のために池袋に来ていた。
ぷらぷらと歩き、自分の蒔いた種がそろそろ成熟し、欲望を持った浅ましい人間の手によって池袋中に拡散されるのを今か今かと心躍らせていた。ああ、たのしみだなぁ。今回はテロを起こしたいと言う人間たちと奈倉名義で接触し、自分も仲間である素振りを見せた。計画を綿密に企てて、今日実行することになっている。もちろん、自分はそんなことはしないし、実際のテロの規模も抑えてある。いつものようにそれは自分の思い通りに進むのか。もしくは、予期せぬ事象が絡んで、予想以上に街は混迷するのだろうか。人間の感情が揺らぐとき、いつでも自分を楽しませてくれるものだ。さあ、どこで高みの見物をしようか――ネットで集めたテロ犯希望者の男三人と示し合わせた配置につこうと、計画を確認してから解散する。テロなどにはもとから興味がない臨也は、これから起こることが見渡せるビルの屋上に向かおうとしたその時だった。
池袋の街中を歩いていたはずなのに、いきなり辺りは真っ暗になって、街の喧騒から遮断される。気づけば隔離された空間に、ぽつんと自分ひとりが立っているだけだった。そして、暗闇の先からこのキャップ帽を目深に被った少年が目の前に現れたのだ。

『おにぃさん、あーそびーましょ♪』

それはそれはたのしそうに声を弾ませて。

臨也が怪訝に思っていると、いつの間にか後ろに立っていた男がわきの下に腕を入れて、体を固定された。長年、池袋最強と謳われる平和島静雄と渡り合ってきた臨也がやすやすと背後をとられ、動きを封じられたことに驚くも、すかさず肘鉄を食らわせようとする、――が、男の力は存外に強くて、逃げ出そうとしてもびくともしなかった。後ろの男を睨みつけていると、カチャリとベルトを外す音で自分の足元に跪いている男に気づいた。ゆっくりとした手つきでズボンや下着を脱がされる。その間、臨也は慢心の力を込めて、目の前の男を蹴るが、こちらもまた動じることはなかった。

抵抗はどれも無駄に終わり、臨也の体を簡単に暴いていく男たち。
よく見れば、今回のテロのために集めた男たちだった。押し付けられる愛撫に脳みそが快楽を得ながらも、臨也は男たちが一言も発していないことに気がついた。注視してみると、そのおかしさに悪寒が走る。
男たちの目はどこか虚ろで、たとえばそう、操られているような印象を与えた。
誰に、とは目の前でただこの光景を楽しそうに見物している少年以外に考えられなかった。

こんな変哲もない少年が、なぜ大の男を掌握できるのか……理由はさっぱりわからなかったが、こいつが全てを統率しているのはその不気味さが証明していた。



「ふ……ざけ…るな。殺してやる……!」

「殺せるものならどーぞ♪ま、無理だけど。僕にそういった概念通じないから」

まるで自分は人間ではない、と言うような口ぶりで臨也に笑顔を向ける。
そして、動きを止めていた男たちに命令した。

「さあ、臨也くんにお仕置きしてあげて♪」

その言葉を合図にコートやVネックも剥ぎ取られて裸にされると、腰を上に突き出すような四つんばいの体制をとらされる。乳首を弄っていた男の指が、臨也の尻の割れ目をくぱあと開いて躊躇いもなく後孔に舌を這わした。

「ひ、あ ぁぁ!!」

唾液を絡ませながら、ぐりぐりと穴を刺激する。皺を一本一本伸ばすように丁寧に舌先で舐められると、窄まっていた穴はゆるゆると弛緩し始めた。

「んん……くぅ!!や……や…ぁ!!」

これまで生きてきて他人に見られたことも、ましてや、舐められたことなどない秘部への愛撫に臨也の頭の中がぼーっと霞がかかる。すでに二度射精させられている性器もまた硬さを取り戻し、横から伸ばされる男の手によってシコシコと擦られる。

またじわじわと高まった射精感を逃がそうと、固い地面に顔をこすり付けていた臨也の目の前に少年がしゃがみこんだ。顔をあげて、と優しい声で言うと、自分の後ろを見るよう促す。

「ほら、臨也くん。
もう一人、大事なゲストが到着したよ。


きみの


だいすきな人。





へいわじましずおくん、だよ?」


その名を聞いて沈んでいた意識が急激に浮上した。

ピクリと目を見開き、少年の背後へ顔を向ける。臨也の視線の先には、出会ってからずっと殺し合いをしてきた『へいわじましずお』なる人物が闇に囚われているように、黒い影に拘束されて座っていた。

「しず……ちゃん……?」

なぜ彼もこの空間にいるのか。臨也の頭の中は混乱して言葉を発することが出来ないでいた。