カイトのくせに生意気だ! | ナノ
カイトは頑に腐れ縁腐れ縁って言うけど、腐れって形容するほど嫌々付き合ってるわけじゃない。だって腐れ縁って、本人達の意思とは関係なく縁が働いて行動を共にしている相手に使う言葉じゃない?
私達の場合大部分が自分達の意思で一緒にいる・・・まあ、昔からの癖っていうのもあるけど。だから、腐れ縁って言われるとそれはそれでムッとくるものがあるわけ。クラス分けに関しては誰かの陰謀を感じるけどね。


いつから一緒にいるかって聞かれれば、よくわかんない。物心つく前にはもうカイトの横に居たんだと思う。気づいたら一緒に居たカイトと、生まれた瞬間からずっと知っていたハルトくん。私は二人とずっと兄弟のつもりでいる。

だから家が違っても毎日二人と顔を合わせるし、ハルトくんの送り迎えだってカイトと一緒にする。兄弟のように思って兄弟のように接して過ごしているだけなのに、名字が違うというだけで周りはたてはやしに来る。どうしてなんでもかんでもそういう方向に考えちゃうわけ?

私だってカイトとは仲いいって思ってるよ?思ってるけど、皆の言う仲良いはなんかニュアンスが違うじゃん。カイトも私もそんなつもりこれっぽっちもないんだってば。昔からやってる事をやってるだけ。


「でも普通そういうのって中学入ったくらいから段々無くなっていくものじゃないの?」
「小鳥ちゃんと遊馬くんはそうなの?」
「そうっていうか・・・私と遊馬は元々なまえ達程近くもないし。ただ小さい頃から遊んでただけの普通の幼馴染みだもん。でも幼馴染みって近すぎると中学くらいからよそよそしくなるのが普通でしょ?」
「・・・私達の感覚では別に近すぎるって気はしないからなあ。」
「それが誤解が生まれる原因なんだってば。」
「そんな事言われてもさー?」

自分にとって当たり前の事をおかしいと言われても・・・。私別に変な事してるわけじゃないのにこっちが良い迷惑だっていうの。ぎゅうとかち、ちゅうとか・・・を期待されてもさ!兄弟しないでしょそんな事!!


「じゃあさ、実験してみましょ!」
「・・・実験?」
「そ、試しにカイトと距離を置いてみるの!おためしなら良くない?」
「まあ、たしかにずっとっていうのは考えられないけど・・・。別に私は周りが面倒なだけで今の関係に不満があるわけじゃ・・・。」
「押してダメなら引いてみろって言うじゃない!ね?」
「ちょっと待って聞き捨てならない。ね?じゃない!どういう意味それ!」
「いいえー?なんでもー?とにかくやってみようよ!」
「なーんか腑に落ちないけど・・・。」
「いいから!ちょっとだけ!」
「わかったわかった、やってみるよ・・・。」


といっても何を実行すれば良いのかよくわからないから、具体的に小鳥ちゃんと話し合って、明日から実験を行う事になった。・・・カイトもハルトくんも、どう思うかなあ・・・。ハルトくんにはかわいそうだから説明しておこうかな・・・。




だからさ、兄弟だって言ってんじゃん・・・。






だん‐げん【断言】
確信をもってきっぱりと言いきること。




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