カイトのくせに生意気だ! | ナノ
僕の先輩には微笑ましい二人がいるんだ。カイトとなまえって言うんだけどね。面白い人達だよ。

とっても仲が良いんだけど、それを認めるのが気恥ずかしいみたい。でも、恋人同士がやるような事をごく当たり前のように行ってしまうから、見ているこっちもごく当たり前に流してしまう。そんな事も多いかな。二人がやると「イチャイチャ」って効果音がつかなかったりするんだよね。多分、手を繋いで歩いててもそう。・・・絶対しないだろうけど・・・。

それでも、遊馬や凌牙と一緒にカイトの家にお邪魔した時は驚いたなあ。勿論なまえも一緒だけど、なまえを呼ばれる側にカウントするのは違う感じがする。


「ただいま。」
「おじゃましまー・・・!?」
「あ、いらっしゃーい、おかえりカイト。」
「兄さんおかえり。」

僕達は駅前で待ち合わせをして、カイトの案内で家まで来た。だから、家も近いし先に待っていたという意味でハルトくんと一緒になまえが出迎えるのは良いと思う。でも。
なんでなまえがエプロン着けてお昼の支度してるの・・・!?勝手知ったり過ぎでしょ!?状況が飲み込めずに後ろの二人を振り返ると、遊馬と凌牙も固まっていた。そ、そうだよね、僕の疑問おかしくないよね!


「悪い、先に始めてたのか。」
「いいよ。あ、ねえ、卵と牛乳切れてたんだけど。」
「買って来た。」
「んー。」

あのビニール袋はそれだったんだ・・・!てっきりコンビニでお菓子か何か買ってたんだと思ってた。
ずっと固まったまま動かないでいる僕達を不思議な物を見るような目で見てから、ハルトくんが椅子を勧めてくれた。ありがとうハルトくん、でもね、不思議なのは君のお兄さん達の方なんだよ。

「どうぞ。」
「あ、ありがとう。」
「ハルト・・・!お客さんにお茶が出せるなんて立派だぞ・・・!」
「ほらそこのブラコン。早くエプロン着けてこっち手伝いなさい。」
「ハルトォォォ・・・。」
「兄さんお腹すいた。」
「ああ、任せろ!」

言ってなかったけど、カイトは気持ち悪いくらいのブラコンなんだ。僕達にお茶を入れてくれたハルトくんに感激して側を離れなかったけど、ハルトくんの一言で一瞬にしてエプロンを着け台所に立っていた。人間ああはなりたくないよね。

それにしても台所に二人で立つ後ろ姿が夫婦すぎる。向こうから聞こえて来る音をBGMに僕らの話題はやっぱりそこへ移って行った。
「いつもあんな感じなのか?」聞いたのは凌牙。
「うん、僕もお手伝いするよ。」
「へー、偉いじゃんか!」
そう言って遊馬がハルトくんの頭をわしわしと撫でると、照れた顔で嬉しそうに笑ってた。カイトの弟とは思えない可愛さだよね。
「兄さんと姉さんのご飯おいしいよ。」
「うん、いつもお弁当美味しそうだもんね。」
「俺こないだ一個貰ったけどちょーうまかった!」
「いつ貰ったんだよ!」


その日食べた二人のパスタは絶品だったし、その後のデュエルも楽しかったからまた遊びに行きたい。でもやっぱりあの三人の中に一人で混じりに行くのは心許ないから、せめて遊馬と一緒がいいな。




そんな二人を、僕は家族のようだと思ってる。
あ、勿論ハルトくんも含めてね。






てい‐げん【提言】
自分の考えや意見を出すこと。また、その考えや意見。




retern


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