皇帝 | ナノ

「カイトにダイレクトアタック!!!」
攻撃宣言をした遊馬くんの腕に、オービタルさんから離れた私は空中から飛びついた。
「やめて遊馬くん!!!」
そのまま遊馬くんごと倒れ込んでしまったけど、今の私は攻撃をやめさせる事に必死でそれどころじゃなかった。

「なっ・・・」
「なまえ・・・!」
「お前、どうしてここに・・・!」

「遊馬くんお願い、カイトさん死んじゃうよ・・・!私が全部悪いの、だから・・・!」
「・・・もとはといえばなまえの居場所を聞き出す為に持ちかけたデュエルだ。・・・もう決着をつける必要も無い。」
罰が悪そうに顔を逸らし、DゲイザーとDパッドを外す遊馬くん。カイトさんには慌ててオービタルさんが駆け寄る。向こうも大した事がないようで安心する。

「私ね、一人でずっと考えて、落ち着いて頭が動くようになって、皆に謝らなくちゃって、そう思ってて!そうしたら、オービタルさんが来て!遊馬くんとカイトさんが闘ってるって、きいて、それで・・・!」
「なまえ・・・。」

「・・・漸く整理がついたみたいだな、死ぬ所だったぞ。」
「カイトさん、早く帰るって約束だったのに、ごめんなさい・・・。」
「それはいい、そんな事よりせっかく考える時間をやったんだ。そんな慌てて話し合ったら意味がないだろ。とりあえずお前も落ち着け。」
「あ・・・。」

「カイト、中に入るぞ・・・なまえが薄着だ。」
「そうだな、どうせオービタルにわけも分からず抱え込まれてそのままの服で来たんだろう。」
「ヒ、ヒイィッ・・・!」
気の回らない奴だと睨まれたオービタルさんは慌てて壁にするように私の後ろに回り込む。カイトさんの言う通りなんだけど、なんだか可哀想だから私は苦笑いしながらオービタルさんの頭を後ろ手で撫でてあげた。・・・また頭が回った。もしかしたら喜んでるのかも。

とりあえず、部屋らしい部屋を求めて、私達は外れ落ちた扉から続く廊下から建物の中へ入って行った。




合流




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