皇帝 | ナノ


「私をカイトさんと遊馬くんの所へ連れて行って下さい。」

そうお願いしてから一拍して、オービタルさんに「イイノカ?」と確認をとられた。真剣な眼差しを送って頷けば、オービタルさんに外に出るよう促されてベランダへ靴を履いて出た。すると、突然変形したオービタルさんに抱え込まれて、抵抗する暇もなく上空へ飛び上がってしまった。

「えっ、え、オービタルさん、これ、飛んでる!!浮いてる!!」
「アバレルナ!オートデウンテンスルノハナレテナインダゾ!」
「そ、そんな事言われたって・・・!」
せめて説明してからとか、飛ぶって言うのを教えてくれてからでも・・・!
それでもオービタルさんに言われた通りじっとしていると、おそらく遊馬くん達がいるである場所に向かってすいすいと飛んで行く。・・・結構夜風が肌寒い。




結構長い事飛んだと思う。振り返るとハートランド都心部のネオンがほんとうに小さく光っているだけ。今飛んでいるあたりは森のように木が生え並んでおり、明かりといったものがなく真っ暗なところで少し怖い。肌寒さも増したように思えて私もそろそろ限界かもしれない。
そう思った所で、突然森の中にドーム状のとても大きな廃墟が見えた。ドーム状といっても、屋根の半分以上が欠けているようだったし、入り口らしい所も瓦礫で埋まっている。

「Dゲイザーヲツケロ、カイトサマトエンペラーガマダデュエルヲシテイル!」
カイトさんの無事を捉えて安心したように言うオービタルさんに従ってDゲイザーをつけてみる。
デュエルは遊馬くんのターンで、場には二体の巨大なモンスター。既に3枚程魔法・罠カードが発動されており、その効果とモンスター効果を合わせたせいなのか、一体の攻撃力は4000、そしてもう一体の攻撃力はなんと一万を裕に越えていた。カイトさんの場には守備表示のモンスターが一体、手札はたったの一枚だけ。
「オービタルさん、早く!!スピードあげて!!」
「ワワ、ワカッテイル!!!」
それでも遊馬くんの容赦の無い攻撃宣言によってまずは4000の攻撃力で唯一の守備モンスターが破壊されてしまう。これでカイトさんのフィールドはがら空きだ。

「さあモンスター効果だカイト、貫通ダメージ1200を受けろ!!」
「ぐっ・・・うわああああああっ!!」
ダメージを浮けた衝撃波で、たまらず後ろへ吹き飛んでしまうカイトさん。
「カイトサマッ!」
「カイトさんのLPは残り300・・・、一万なんてダメージ食らったら死んじゃう!」
お願いだから間に合って!!
「じゃあなカイト、これで最後だ。」




死刑宣告




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