「と、いうわけで…。今日からうちがあんたのパートナーさ。よろしく。」
「よろしくしない。」

 握手を求めようとした雛奈の手を、エリカが振り払った。

「私にパートナーはいらない。たとえ、誰にお願いされ、誰となろうとも、だ。」
「ローランドの言うことが聞けないのか?」
「言っただろう? 誰にお願いされようが関係ない。」

 ふいっ、と視線をそらすと、エリカは腕組みをした。パートナーになるという事を認める気はないらしい。

 …この度、エリカと雛奈は、正式に決定したわけではないが、ローランドによりパートナーとされたのだ。
 しかし、エリカと雛奈は初対面。そのうえ、エリカ自身は今までパートナーというものを持ったことがない。それには、ちょっとしたわけがあるのだが、それはまた別の話…。

「とにかく、無理なものは無理だ。ローランド様には悪いが、雛奈には他のものと組んでもらいたい。」

 断固として認めないエリカに、ローランドが声を問いかける。

「エリカ、本当にダメ?」
「本当に申し訳ありませんが、どうしても無理なんです。私にパートナーは…」
「つまり!」

 何かを言いかけたエリカの言葉を、先ほどまで黙っていた雛奈の声が遮った。

「うちに、あんたのパートナーに相応しい力があればいいんだろ? あんたは、うちが弱そうだから、パートナーにしたくないんだろ?」

 得意げに胸を張って言った雛奈だが、その言葉にエリカはきょとん、と首を傾げた。

「いや、私が言いたいのはそういう事ではなく…」
「じゃあ、特別に見せてやろう!」

 雛奈は、ニヤリと笑うと言った。

「…"本物"の、シューラの力を、な。」

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