「おはよう御座いまーす!」

 バサッと、無理やり布団を引き剥がされ、エリカは思わず縮籠もった。

「クラム…。」

 眉をピクピクと引きつらせながら、エリカは布団をはがした張本人の名を呟く。

「キャッ! 王子ったらお寝坊さん♪」
「まだ6時だろ…。エミも寝てる。」

 と、思いエミのベッドを指差せば、なんとベッドはもぬけの殻だった。どんだけ早起きなんだ…。

「騎士たる者、如何なる時でも6時起床です。早起きは三文の得って言いますしぃー…。」
「そんなに早く起きて何すんだよ、まったく…。」

 エリカは、ブツブツと文句を呟きながらもしぶしぶ体を起こした。

「ていうか王子。」
「誰が王子だ。私はエリカだ。」
「まぁそれは置いといて…。朝からヴォルド様がお呼びでしたよ。大至急黒ノ騎士団まで来いと。」
「それを早く言えバカ…。」

 エリカは、頭を抱えつつも急いで着替え始めた。

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