報告も謝罪も終わり、やっと自分の部屋に戻ってきたエリカは、その光景に目を見開いた。
「何を…しているんだ?」
エリカの目に映ったのは、眠っているフランに寄り添うエミの姿だった。
普通、逆じゃないか?
ドアの前に呆然と立っているエリカに気づいたエミは、苦笑いを浮かべながら説明した。
「あぁ、なんかいきなりおデコに手を当ててきたから、私、びっくりして蹴っちゃったの。ちょうど急所に当たったらしくてねぇ…。この有り様よ。」
なるほど。エミならやりかねない。
いや、それも気になっていたが、実はもう一つ気になっている事がある。
「エミ、二日酔いは大丈夫なのか?」
そう、昨日はあれだけ飲んだのだ。酒には自信があった自分でさえこの有り様。まさかエミが平気だとは思わない。
しかし、エミの答えはその予想を打ち破るものだった。
「ん?全然平気だけど? ていうかエリカ顔色悪ッ! ほら、早く寝る寝る!」
エリカは、長く付き合ってきた親友エミの新たな一面を知った。
彼女は酒に強い。
end
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