▼一日目のバトルパート、第一回戦はなんとルーシィVSフレア。先程のことが遭ってから、ルーシィの顔付きは真剣そのもの。

途中からはルーシィの二体同時開門と星の大河(エトワール・フルーグ)を駆使し、優勢に見えていた。

けれど途中からフレアに縛られ、全く手を出せないルーシィにナツの声が響き渡る


▼「ルーシィ!!今だぁあ!!!」というナツの大きな声と共にルーシィは動き出す。

そしてジェミニがルーシィの姿になった瞬間、会場がおおっ!と声が上がる。

《出るとこ出てるじゃない》っとツーンとしたジェニーが言うのに、塑琉奈とメイビスは揃って自分の胸に手を当てた。


「出るとこ……」

「出てねぇな」

「なっ、ううううるせー!!!うわぁああん!!!!!」


それを見計らったように塑琉奈の胸を覗くように見てたラクサスが鼻で笑うのに、反論も出来ず、塑琉奈は泣きそうな顔をした。


▼会場の頭上を包むように、星空と惑星が浮かび上がる。あまりにも綺麗なその光景と共に、ルーシィが叫ぶ。「ウラノ・メトリア」っと。

その瞬間だった、バヒュンっという音が会場に響き渡り、出る筈だった星々の輝きが一瞬でかき消える。


「ひどい…」


そして、フラフラになったルーシィが地面に倒れ込み、そこで試合は終了。その光景に、ミラは思わず口を手を押さえて呟いた。


▼観客からはまた降りかかる罵声と、笑い声。どうしてルーシィが倒れたかも知らずに彼らは言葉の矢をルーシィに投げ放つ。


「…誰かが手を貸しやがったな」

「…ちっ、胸糞悪いことしやがって…」



それを私と一緒に見ていた二人はやっぱりあれが、外部からの支援っということに気付いているようで。

どうして、こんなに酷いことを…っと泣いているルーシィがナツと共に会場を後にするのを見守る。

ジュビアも、グレイも、ルーシィも…ここまで全て大鴉の尻尾に邪魔をされ続けられてる。

完全に私たちを狙ってる…、なんて大胆な、狡猾なの……。


▼「お母さ…っ」

「……」


先程のこともあってか、自分の右隣、塑琉奈の方へ顔を向ける。すると彼女の顔には、ビリッという程の迫力に満ちた表情へなっていて。

それを初めて見た私は思わずビクリッと肩を震わせる。

私が声を掛けてから少しの間が空く。そしてハッと我に返ったように塑琉奈は「ごめん、ボーッとしてた」っと苦笑いを溢した。


「(お母さん…、怒ってる…)」


それもそうよね…、ここまで仲間が傷付けられて、見世物にされて、私だって…腸が煮えくりかえそうな気分だ。

けれど、その思いをぶつけるのは場外ではダメ。あくまで会場の中で…。


「(妖精の尻尾は、これからが…本番なんだから…)」


そして、私はギュウッと拳を握り締めてから、トン、トン、と胸を軽く叩く。

フゥーと深く息を吸い込んでは吐いてを繰り返し、私はまた…次の試合に目を凝らした。





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