▼「…どうだ、二人の様子は」

「…少し苦しそうに寝てたよ。」

医務室を出て、少し息を整えながらその場を後にする。

そしてキャー、ワーっと外が騒がしく歓声が響く出場門まで戻れば、皆が心配した顔持ちで塑琉奈を待っていた。

壁にもたれ掛かり、戻ってきた彼女を見てから体勢を変えるラクサス。そして塑琉奈からの返事に「…そうか」っと呟いた


▼「茂みで倒れてたらしいんだ」

「…ってことは、外部からの攻撃…ということでしょうか」

「予選があった位だから、他のチームからの妨害はあり得るわね…」

「見付けたらタダじゃおかねぇ…!」


ジュビアとミラが、考えるように口を開く。それを聞きながらにガジルは相当苛立っているのだろうか、グッと拳を握る。


「…考えるのは後回しにしろ。そろそろ始まるぞ」


そして一同の考えを遮断させるかのようにラクサスが口を開いてから、会場の方で《選手入場です》という放送と共に一気に歓声が沸き上がった。


▼選手入場と共に予選8位で通過したのは、まさかのナツたち。それを聞いたのとまさかのブーイングの嵐に少しだけ眉を潜める。

「ああ…!良かった!グレイ様ちゃんと予選通過するってジュビア信じてました!」

「あいつら8位かよダセーな!」


ジュビアがその発表を聞いて、心底嬉しそうに目を輝かせる傍ら、ガジルがギヒヒっと笑い、どや顔をするのに、ラクサスがため息混じりに「お前なにもしてねぇだろが」っと毒を吐く。


「ガジルはどちらかと言うとジェンガしかしてねぇじゃん」

「あん!?んなことねぇぞ!」

「しかもガジルばっかり倒してたじゃない」


そして、俺とミラはラクサスに続いて、ガジルをからかい笑ってやる。


そうしてる間にも着実と、次々とチームが紹介されて、揃っていった。


▼《続いて第三位…》


次は三位のギルドの出場。これが終わったら次は俺たちか。と流石に待つのが退屈で、一度瞼を閉じる。

そして、耳に入るのはガジルがジュビアとミラにジェンガのことで笑われてるのと、それに混じる塑琉奈の明るい声。

先程、ウェンディたちの様子を見に行った後は随分と静かだったもんだから、それを聞いて俺は少しだけ胸を撫で下ろす。


けれども、それはまた、次の言葉を聞いた瞬間にかき消えた。







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