▼二日目が終了し、各々が一度解散をする。その後は一日目と同じように酒場に当たり前のようにやってくるFTの面々たち。

そこにバッカスたちがやって来て、酒場は大盛り上がり。乾杯してから皆は一気に酒を飲みまくり、あまりにも直ぐ酒が出る。

そして「在庫が尽きそうだ」っと呟いた店長の声を聞いた塑琉奈。


▼「なんだったら、酒屋から在庫のお酒、持ってきますよ」

「えっ、いいのかい?」

「だって幾らなんでも、これだけ飲む奴いりゃ切れても当たり前ですよ」


その上、二人の酒豪までいるしっとクイッと親指で指差した先。そこにはまた飲み比べしているバッカスとカナの姿。

それに塑琉奈と店長は苦笑いを溢す。


「じゃあお願いしてもいいかい?」

「勿論!」


それから、店主は申し訳ないと頭を下げたのに慌てて、顔を上げさせる。

そして「ありがとう」っとお金を手渡される。何だかそれにムズ痒い気分になった。


▼そもそもうちの子達が飲み過ぎなのもあるし…、まあ、毎日が俺のギルドは宴会だしな…。直ぐに酒が無くなるのはよくある事だ。

けれどここはギルドとは違うし、流石に此くらいの手伝いをしないと。あと5日ほどお世話になる酒屋に迷惑掛けちゃいけない。

それにいつもならこういう役目、ギルドで俺がミラ、キナナがやってたから逆に何もしてないのって、微妙に落ち着かない。


「何処行くんだ?」

「酒屋。ここの店の在庫が無くなりそうだからよ」


店主に一礼して、真っ直ぐ酒場の出入口まで足を進める。そして座っているラクサスの後ろを通れば、彼は顔を上げた。

呼び止められ、彼と目を合わせる塑琉奈。それに口に含もうとした酒をテーブルに置く。

そして、直ぐに立ち上がり改めて上着を翻してから、ラクサスは塑琉奈と並んだ。


「俺も行く」


っと言葉を添えて。






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