▼パラパラと、造形で作った花と蔦の赤い残骸が辺りに飛び散って、綺麗な雨を作り出す。

シュウウッと爆発に巻き込まれて、先ほど花があった場所。そこには爆発を受けた塑琉奈が「がは…っ」と黒い煙と共に、膝をつく


そんな塑琉奈に暇も与えず、今度は飛び散った赤い破片たちが、一斉に塑琉奈に向かってやって来た


「あぁああ…!!!!」


爆発の衝撃で、肌は焼け爛れ、染みるような痛みが彼女を襲う。喉は煙と爆発のせいで、がらがらとした声しか出せない。

それでも塑琉奈は、直ぐに立ち上がり、自分にやってくる破片たちをブォンッと鉄扇を仰ぎ、光の風を放って回避していく。

熱い…めちゃくちゃ熱い…、身体中が焼けるように熱い…!ヒリヒリいてぇ…!!!お前も大技かよ…!ナナシ!!!


▼そうして、血の破片たちを払うことと、まさかのナナシからの大技に、予想外の負傷。

塑琉奈の余裕はそれに崩されて、チィッと素直な舌打ちを溢す。

そして、払うことに集中し過ぎて、注意力散漫になった彼女の背後。そこに、バチバチと電撃の拳を纏った大きな体が直ぐあった。


「鳴…御雷…!!!メェーン!!!」

「…っう…!!?」


塑琉奈が、大きな影に気付き後ろ振り向いた瞬間だった。

先ほどよりも凄まじい電気と魔力を纏った、バチバチ、バチバチとほとばしる大きな拳。

それが見事塑琉奈の顔に直撃する


▼頭を中心に神経が麻痺したかのように、身体中に痺れが走っていく。それは同時に、焼き爛れた、熱い痛みを更に増幅させて…。

ビリビリと感電したかのように、体は痙攣し、内からは熱さが襲い掛かる

ああ…やべぇ…、意識、飛びそう…

痛みに襲われ、意識さえ朦朧とする中、グラリと一瞬にして霞む視界にラクサスが映る。

その姿は、今にでも自分の匂いを嗅いでやろうと鼻をヒクヒクとさせていて…。


「(だめ、だ…!ここで倒れたら…!)」


お前が俺を守ってくれた意味、無くなっちまうだろうが…!なあ、ラクサス!!!







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