▼ナツの背中を見やり、塑琉奈が声を掛ける。すると彼は顔だけ此方に向けて、みんなにニンマリと笑い掛けた。
塑琉奈は彼の自信満々なその顔を見て、釣られるように笑う
「よーし分かった!行ってこい!!!」
「おう!!」
「無事でいてね…ナツ…」
その塑琉奈とナツの言葉、そしてハッピーの案ずる声を合図に、「開けるよー」っとミントの口がぐぱっと開かれる。
瞬間、ファッと口の中に一気に空気と風が入り込み、ルーシィとウェンディの髪を揺らす。
そして、ナツはその口の先に広がった外の世界へ、駆け込んだ
▼「うぉおおおお!!!!」
ミントの口から出て、急降下する自分の体に強い風が当てられていく。それでも重力には逆らえず、勢いよく、ナツの体は地面に近付いていった。
そしてバサバサっと髪をなびかせたまま、地面に激突する前にゴォッと口から火を吐き、ダンッと地面に、華麗に着地成功。
「メェン…メェーン…」
「クンクン、クンクン…メェーン」
「オラァアア!!邪魔だぁあああ!!!」
地面に着地すれば、案の定周りはもう一夜化した人々しかいなくて…。
ナツを見た瞬間、顔を上げてのそのそと彼の方まで歩み寄る。けれど其よりも速く駆け抜けて、ナツは彼らを素早く避けていく。
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