▼そんな会話が三人に繰り広げられた時だった。ガリガリガリッと何かを引き摺るような音に三人は、ハッと顔を上げる


「そこにいたのかぁ…火竜ー…メェーン」

「逃がしはしないぞぉ…クンクン…メェーン…」


音のした方へ顔を向ければ、先程撒いた筈のガジルとリリーが右から…、

そして三人を挟もうと一夜化したヤジマとその他の人々が、左から、此方へ囲むようにゆっくりと歩み寄ってきていた。


▼ドォンッという爆音と共に、下水道から炎が噴き上がる。それはナツが出した火竜の咆哮で。

それと共に、爆風と爆圧でルーシィを抱き上げたナツは打ち上げられる。

そして、下水道から出た上空からの光景。それにナツとルーシィは言葉を失った。


「な、なんだよこれ…!ひでぇ…全員、一夜だらけじゃねぇか…!」

「酷すぎる…」


街中には、一夜、一夜、一夜。全ての街人たちが、一夜の顔をして、メェーンとクンクンと繰り返し、徘徊する全貌が見渡された。

それが視界いっぱいに映ったのだ、言葉を失うのも仕方ない。


「ナツぅ!流石に二人は無理だよぉー!重いぃい…!」

「頑張ってハッピー…!」

「むりぃいい!!!」


上空から上がった後、ナツとルーシィが落ちないように、ハッピーはルーシィの背中に引っ付き、パタパタと必死に翼を羽ばたかせる。

それでも、二人を持って飛ぶには相当力が必要なのだろう、ハッピーがんぎぃい!っと唸りながら、踏ん張る。


▼「ぃい…!だめだぁ…!重いぃい!!!!」

「ちょ、ハッピー!!!」

「いやぁああ!!?」


そうハッピーが叫んだ瞬間だ、限界を迎えたのだろう、ハッピーが我慢できずに手を離してしまう

ふわっと、持ち上げられる感覚と空中で止まって、肌に風が当たる感覚、それがゆっくりと消えて

ナツとルーシィは一気に急行下。
ナツはその中で「仕方ねぇ!」っとぷくぅっと頬を膨らませば、


「うお…!?」

「あれは…!?」

「お魚ーーー!!!!」


どんどんと落ちていく着地点、そこまでの場所にチャプンっと、空間を裂いて、見覚えのある大きな緑色のお魚が。

キュイッと小さな声を上げて、その魚はぐぱっと口を開く。

それにナツは確信を持った笑顔を浮かべた


「やっぱり母ちゃんは無事だったんだ!!!!」


そうして、上空から落ちてくるナツとルーシィ、ハッピーを次々と、そのお魚はパクンッパクンッと食べていった






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